オンラインでフランス語などの語学を学ぶ際に、気をつけたいこと

最終更新日:2020年4月20日

私は長年海外に住み、しかも転勤が多かったので、いろいろな事をオンライン(当時はスカイプを利用)で学んできました。例えば今までにチェロ、ピアノ、スペイン語を国境と時差を超えて世界中のいろいろな先生にオンラインで習ってきた経験があります。

なぜオンラインだったかというと、住んでいる町の近くに良い学校、または先生が常にいるとは限らなかったからです。日本や欧米諸国の都会に住んでいればどんな習い事でも割と簡単に近所で学校や先生が見つかりますが、海外の田舎に住んでいたり、言葉の壁がある場合には、なかなか教えていただける良い先生に巡り合えません。そこで私は音楽であろうと語学であろうと、世界中から良い先生を選んでオンラインで教えてもらう、という方法を取ってきたのでした。

とはいえ、楽器をオンラインで習うというのは、先生とデュオをする際のコンマ数秒の時差の問題(5Gになれば解決されると思いますが)や、弾く姿勢を対面のように直してもらえない、家の防音の問題などもあり、100%効率的とはいえません(理論を学ぶのであれば問題ありませんが)。しかし語学であればオンラインでも十分に習えます。例えば私は家族でアルゼンチンに転勤になり、そこで始めてスペイン語を習い始めました。その後転勤が続き、タイ、マレーシアなどスペイン語圏以外の国に住んでいた時には、常にオンラインでスペイン在住やベルギー在住のスペイン人の先生に習い続けたのです。

このように、何年も前に流行った「お茶の間留学」からスカイプでのオンラインレッスンなど、たくさんの語学レッスンを受けてきた私の経験から、オンラインで語学を学ぶ際に気をつけたいこと点をいくつかあげたいと思います。

先生は語学のプロかただのネイティブか?

まず、オンラインで教えてくれる先生は全員が語学学校に所属している訳ではありません。ですので、プロの語学の先生もいればそうでない人もいます。「単に雑談をしたい」というのであればその言葉が話せる方であれば誰でもいいのですが、「体系的に学ぶ」となると、誰とでもというわけにはいきません。言葉というものはたとえ母国語であれども外国人に教えるのは非常に難しいものです。ネイティブであれども、自分の母国語を外国語として教える方法を勉強をしていないと体系的に教えることはできず、逆にネイティブでなくても、外国語としてその言葉を長年自分で学んできた人や、教授法を学んだ人の方が体系的に教えられる場合があるのです。ですから、オンラインで教えてくれる先生が語学を教えるプロなのかただのネイティブなのかをきちんと知ることがまず大切です。「ネイティブ=語学を教えられる人」とは限らないのです。

毎回同じ先生に習えるか?

私が語学スクールのオンラインレッスンを受けて思ったのは、「毎回先生が変わるためになかなか上達しない」です。レッスン直前に予約を入れられるなどのシステムは便利ですが、レッスンのたびに先生が変わると最初の数分は自己紹介をしなければなりませんし、先生も生徒のレベルをチェックする時間が少し必要です。ですので、何度も同じ質問をされ毎回「またゼロからやりなおし感」がいつもしていました。いろいろな人のアクセントになれるという点ではよいかもしれませんが、語学上達という点では毎回同じ先生に継続的に習う方が、先生は生徒の間違える部分や苦手な部分を分かっているので指導しやすいのです。オンラインで語学を学ぶ際には、毎回同じ先生に習うのがよいでしょう。

毎回のレッスンに目標があるか?

これはオンラインであろうとマンツーマンレッスンであろうといえることですが、毎回のレッスンで達成目標があるかどうか、ということも大切です。会話レッスンはどうしても、目的もないままに1時間だらだら話すだけのレッスンになってしまいがちで、長年続けているにも関わらず上達しているのかがよく分かりません。これは、「ネイティブだけれども語学のプロではない先生」とレッスンをするとよく起こることでした。すでにある程度話せる人だと、完璧でなくても先生に通じてしまうので、先生のさらなる体系的な指導がないとそこからなかなか上達しないのです。

また個人的には、毎回のレッスンを「日常のテーマ」で分けてしまうよりは、「文法」で分けた方が生徒は上達すると思います。例えば「今日は”引っ越し” というテーマで話しましょう」というような授業だと、引っ越しに関するボキャブラリーはある程度習えるかもしれませんが、興味がないテーマの場合にはつまらないレッスンとなってしまいます(そして習った単語はすぐに忘れる)。

私が最も上達を感じたレッスンは、文法中心に展開されるレッスンでした。メキシコ人の先生にスペイン語のレッスンを受けていたのですが、当時すでにレベルDELE B2を持っていたので一通りの文法事項は理解しているつもりでした。ところがその先生はまたA1レベルの基本的な文法事項から始めたのです。最初は「もう知っているのに…。」と思ってたのですが、実はひとつの文法事項にもA1からC1程度までレベルがあるのです。フランス語で例えると、「冠詞」についてはA1レベルだと不定冠詞、定冠詞、部分冠詞の違い程度にしか触れませんが、B以上のレベルになると「3つの冠詞を使い分けることで文章の意味が変わってくる場合」などについて学びます。

つまり、文法というのは繰り返し学び、その度に深さを掘り下げていく(レベルを上げていく)ものなのです。そうやって文法を深く学んでいくことにより、自ら新しい気づきを得ることができ(自分で気づくこと、これが重要です)、それが語学の上達につながるのです。


以上、オンラインで語学を学ぶ時に気をつけたいことをまとめますと、

  • 先生は語学のプロかただのネイティブか?
  • 毎回同じ先生に習えるか?
  • 毎回のレッスンに目標があるか?

でした。最後に最も大切なのは

  • 継続は力なり

私がどうやって外国語を3か国語覚えたかというと、単に10年ずつ語学習得に時間をかけたからです。「英語10年、フランス語10年、スペイン語10年」というように。

今は何でもオンラインで学べる素晴らしい時代ですので、どんどんオンライン学習に挑戦してみてください!さまざまなインターネットのメディアを使えば、自分でフランス語のヒアリングやリーディング力をアップすることも可能だと思いますよ。

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2件のコメント

  1. ”文法というのは繰り返し学び、その度に深さを掘り下げていく”

    まさに 今フランス語を10年学んできた者として
    この意味がわかります。
    そしてそれが ”今までにはなかった深い喜び” になることも実感しています!

    • ほんとうに、継続して初めてそのことに気づきますよね!これからもお互いに細く長く続けていきましょう~

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