疑問副詞 où の前に前置詞がつく場合とつかない場合

最終更新日:2024年9月30日

今日は疑問副詞に関する面白い質問をいただいので、考えてみたいと思います。

疑問副詞の問題で、Elle habite à Rome. を疑問文にするとき、解答は
Où est-ce qu’elle habite?
ですが、Où の前に À は入れないのですか?

 

例えば「君は今晩、何時に帰るの?」と聞く場合には

À quelle heure est-ce que tu rentres ce soir? と聞き、それに対しての答えは:

-Je vais rentrer à 20 heures.

のように、quelle heure 「何時」の前に時刻表すを前置詞の à が必要です。

それではなぜ Où est-ce qu’elle habite? の où の前には、à Rome という場合に必要な場所を表す前置詞の à がつかないのでしょうか?

 

疑問副詞 où の前に前置詞が必要な場合

では疑問副詞 où の前に前置詞はつかないのかと言うと、以下の場合には前置詞がつきます。

  • D‘où vient-elle ? 彼女はどこから来てるの?
  • D‘où est-ce qu’elle est sortie ? 彼女はどこから(外に)出たの?
  • Par où est-ce qu’il est revenu ? 彼女はどこを通って戻ってきたの?
  • Par où est-ce que tu es passé ? きみはどこを通ったの?
  • Par où est-ce qu’ils sont entrés ? 彼らはどこから入ったの?
  • D‘où est-ce que tu pars ? 君はどこから出発するの?

これらの疑問文は以下のようにも言えます:

  • Elle vient d‘où?
  • Elle est sortie d‘où?
  • Il est revenu d‘où?
  • Tu es passé d‘où?
  • Ils sont rentrés d’où?
  • Tu pars d‘où?

このように、疑問副詞 の前に前置詞の de par が来ることがあります。

これらの動詞を見てみると:

venir, sortir, revenir, passer, entrer, partir といった「移動を表す動詞」だと分類できるでしょう。

では次に、どのような場合には疑問副詞 où の前に前置詞がつかないのかを見てみましょう。

疑問副詞 où の前に前置詞が必要ない場合

 

  • habites-tu ? / Tu habites ?   君はどこに住んでいるの?
  • est-ce que tu restes ? / Tu restes ? 君はどこに滞在しているの?
  • est-ce qu’il travaille ? / Il travaille ? 彼はどこで働いているの?
  • est-ce qu’elle étudie ? / Elle étudie ? 彼はどこで勉強をしているの?
  • es-tu ? / Tu es ?   君はどこにいるんだ?

 

これらの動詞を見てみると:

habiter, rester, travailler, étudier, être といった「状態や状況を表す動詞」 だと分類できそうです。

では、「移動の動詞」の場合には où の前に前置詞がついて、「状態・状況の動詞」の前には前置詞がつかないのでしょうか?

 

疑問副詞 où に含まれる前置詞 à

ところが、「君はどこに行くの?」という場合、aller という動詞を使って

Où vas-tu ?

(À où vas-tu ? とは言わない)

と言います。また arriver という移動の動詞を使って「彼はどこに到着するの?」という場合も、

Où est-ce qu’il arrive ?

(À où est-ce qu’il arrive ? とは言わない)

と言います。どちらも移動の動詞なのに、なぜ前置詞がつかないのでしょうか?


 

これは、疑問副詞の où の中には、すでに前置詞の “à” 含まれているからと考えられます。 ですので、aller や arriver といった移動の動詞が移動先の点を表す場合には、もう一度 à  を置く必要はないのです。

vas-tu ?  / Tu vas ?(où の中にすでに à が含まれる)
est-ce qu’il arrive ? / Il arrive ?(où の中にすでに à が含まれる)

 

このように考えると、habiter, rester, travailler, étudier, être などの「状態や状況を表している動詞」も、状態の続いている場所を表す時には通常前置詞の à を使いますので、où と共に使う場合には、 à は必要ないと考えられます。

 

  • J’habite à Tokyo. →  habites-tu ?
  • Je reste à la maison. → est-ce que tu restes ?
  • Il travaille à Londres?→  est-ce qu’il travaille ?
  •  Elle étudie au Canada. →  est-ce qu’elle étudie ?
  • Je suis à la gare. → es-tu ?

 

ただし、ある場所から来る(venir, arriver)や、ある場所通過する(passer のような)のような動詞の場合、その場所との関係を明確にするために、「から」や「を」という意味の前置詞が必要になります。

  • D‘où vient-elle ? → Elle vient de Paris.
  • D‘où est-ce qu’elle est sortie ? → Elle est sortie du bureau.
  • Par où est-ce qu’il est revenu ? → Il est revenu par derrière.
  • Par où est-ce que tu es passé ? → Je suis passé par le parc ce matin.
  • Par où est-ce qu’ils sont entrés ? → Ils sont entrés par la fenêtre.
  • D‘où est-ce que tu pars ? → Je pars de la garde de Lyon.

 

このように、「疑問副詞の où の中にはすでに前置詞の “à” 含まれている」と考えると

Où est-ce qu’elle habite ?
の où の前に À は入れない理由が分かるのではないでしょうか。

 

 

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