否定の冠詞 de (d’)
今日は「否定の冠詞 de (d’)」というものを見ていきたいと思います。
J’ai une voiture. 「私は車を持っている」
これを否定形にすると、
Je n’ai pas de voiture. 「私は車を持っていない」
となります。この Je n’ai pas de voiture. の de が「否定の冠詞 de (d’)」と呼ばれるものです。
フランス語では、否定文中の直接目的語には「不定冠詞 (un, une, des) や部分冠詞 (du, de la) を使わずに、「否定の冠詞 de (d’)」を使います。
- J’ai un chien. → Je n’ai pas de chien.
- Il y a des nuages dans le ciel. → Il n’y a pas de nuages dans le ciel.
- Il y a du vin sur la table. → Il n’y a pas de vin sur la table.
- Tu veux de la bière? → Tu ne veux pas de bière ?
「私は犬を飼っていない。」
「空には雲がない。」
「テーブルの上にワインがない。」
「きみはビールが欲しくないの?」
否定の冠詞 de (d’) がつかない場合 / Ceci n’est pas une pipe.
さて、ベルギーのシュルレアリスムの画家、マグリット(René Magritte)の作品に、パイプの絵の下に「これはパイプではない」という言葉が添えられている絵を見たことがあるかもしれません。
Ceci n’est pas une pipe.
これはパイプではない
これはなぜ Ceci n’est pas de pipe. ではないのでしょうか?
上で「フランス語では、否定文中の直接目的語には「不定冠詞 (un, une, des) や部分冠詞 (du, de la) を使わずに、「否定の冠詞 de (d’)」を使います。」と書きましたが、Ceci n’est pas une pipe. の “une pipe” は直接目的語ではなく「主語の属詞 attribut du sujet」と考えられます。
直接目的語
通常は「動作の動詞」のあとにくる
- Manger : Elle mange une pomme. 彼女はリンゴを食べる
- Écrire : Nous écrivons une lettre. 我々は手紙を書く
- Lire : Tu lis un livre. きみは本を読む
主語の属詞
通常は「状態の動詞」 (être, paraître, rester, sembler, avoir l’air (de), passer pour など) のあとにくる
- Être : Il est fatigué. 彼は疲れている
- Paraître : Elle paraît heureuse. 彼女は幸せそうだ
- Sembler : Ça semble difficile. それは難しそうだ
このようにみると、Ceci est une pipe. の une pipe は主語の属詞と考えられ、否定形になってもそのまま une pipe となります。
最後に、否定の冠詞 de (de l’) は直接目的語の前に不定冠詞か部分冠詞がつく場合なので、定冠詞は否定形になってもそのままです。
J’aime le vin. → Je n’aime pas le vin. 私はワインが好きではない
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