フランス語の単数形と複数形:生理と物差しを間違った話
とある週末。フランス人の彼は、その頃エンジニアの大学の修士課程卒業まじかで、毎日論文の執筆に追われていたので、週末はだいたい私の方が彼の家におじゃまをして、横で一緒に勉強をしていました。
すると彼がいきなり
「ねえ、生理ある?」と聞くではありませんか。
なぜ勉強中にいきなりそんなことを!?と、びっくりした私。その時同じ部屋には、彼のルームメイトの男の子たち二人も一緒に勉強をしていました。
「え?い、いや、今はないけど、もう少ししたらたぶん…。」と、真っ赤になってあたふたと答える私。
ドキドキしながら、質問の意味を考えました。そして「じゃあ、ちょっと借りるね。」と言われた瞬間、やっと意味が分かりました。彼が聞いたのは「生理ある?」ではなく「ものさしある?」だったのです。
なぜ私が「ものさし」を「生理」だと思ったのでしょうか?
フランス語で「ものさし」のことを ”une règle [ユヌ れーグル]” といいます。女性名詞なので冠詞は ”une [ユヌ]”ですね。また ”règle”には、「規則、ルール」といった意味もあります。例えば ”regle du jeu [レーグル ドュ ジュ]” と言えば、「ゲームのルール」という意味になります。
ところがこれが複数形で使われると「月経、生理」という意味になります。”avoir ses règles ” [アヴォワーる セ れーグル] で「生理をもつ」つまり「生理がある」という意味になります。
彼は私に ”Tu as une règle?” 「ものさし持ってる?」と聞いたのですが、私は ”règle” だけを聞き取り、「règles = 生理」と解釈してしまったんですね。フランス語の場合、複数形の sは発音をしないので、単数形か複数形かを知るにはその前の冠詞を聞き取る必要があります (une = 単数形)。もし彼が ”Tu as tes règles?”と聞いていたら生理の話だったのでしょうが、”une règle”ですので、「ものさし」だったわけです。
それでは発音をきいてみましょう。
”Tu as une règle?” [チュ ア ユンヌ レーグル] 「ものさし持ってる?」
自分の場違いな間違いに気づき、すっかりはずかしくなった私。真っ赤な顔をして、「ものさし、どうぞ…。」と差し出したのでした。
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