フランス語で「間違えました」:代名動詞について

最終更新日:2020年8月25日

今日は私達日本人にとって難しい「代名動詞」の使い方についてみてみたいと思います。

フランス語で「あ、間違えました!」と言いたい時ってよくあると思います。でも「間違えた」を間違えないように、ご注意を!

英語の

I made a mistake.

に相当する「間違えました」は

J’ai fait une erreur.

というように、便利な動詞 「faire (~する)+erreur (誤り)」を使っても言えますが、ここでは「間違える」という動詞を使って言ってみましょう。

間違える : se tromper

「間違える」という場合には、代名動詞の se tromper を使います。

se tromper : 間違える、思い違いをする

Tout le monde peut se tromper.  誰でも間違えることがある。

 

Je me suis trompé(e).    私は間違えました。

主語が女性の場合には、過去分詞は主語の性数に一致してtrompée となります。性数の一致に関しては、下で詳しく解説します。

また代名動詞を複合過去にする場合、助動詞には必ず être をとります。

 

ここで、代名動詞ではなくて tromper を使うとどうなるでしょう?

tromper : ~をだます、~を裏切る、不貞を働く

という意味になってしまいます。

Il a trompé sa femme.  彼は妻を裏切った(浮気をした)

se があるかないかで、動詞の意味が違ってしまうのです。

代名動詞とは?

代名動詞というのは、主語と同じ「人」や「もの」を表す再帰代名詞 seを伴う動詞のことをいいます。

 

例えば、

coucher 「~を寝かせる」(他動詞) Elle couche son enfant.
彼女は子供を寝かせる。

 

se coucher 「寝る」(代名動詞)       Elle se couche tôt.
彼女は早く寝る。

このように、「自分で自分を寝かせる」つまり「寝る」という意味にしたい場合には、必ず se をつけて se coucher としなければならないのです。

先ほどの se tromper の場合も、「自分で自分をだます」つまり「間違える」という意味で使う場合には、 se をつけた se tromper という代名動詞を使わなければなりません。


余談ですが、「間違える」にニュアンスが似ている「失敗する、乗りそこなう」という動詞は rater という他動詞を使います。

J’ai raté mon examen.        私は試験に失敗した。

 

Mince ! J’ai raté mon train !      しまった!電車に乗りそこなった!

「間違えた」がJe me suis trompé (e). なので、「失敗した」も代名動詞かと思ってしまうかもしれませんが、違いますのでご注意を。


【「間違える」の例文】

 

Elle s’est trompée de jour.    彼女は日にちを間違えた。

se tromper de +無冠詞名詞= ~を間違える

 

Je me trompe toujours de route !  私はいつも道を間違える!

Je me suis trompé dans mes calculs.   私は計算で間違えた。

道に迷う: se perdre

次に、「道に迷った」と言ってみましょう。これも代名動詞の se perdre を使います。

Je me suis perdu(e) dans la forêt.     私は森の中で道にまよった。

se perdre : 道に迷う、姿を消す、失われる

 

perdre : 失う、なくす、負ける

「迷う」は「自分で自分を失う」という意味で、se perdre となる訳です。では、perdre を使うとどのような表現ができるでしょうか。

J’ai perdu le dernier match.   私は最終試合に負けた。

J’ai perdu mon stylo.   私はペンをなくした。

怒る、腹をたてる :se fâcher

これもよく使いますが、間違えやすい動詞です。

se fâcher = 気を悪くする、腹を立てる

 

fâcher =  ~の気分を害する、怒らせる

「腹を立てる」というのも「自分で自分を怒らせる」という意味で代名動詞の se fâcher を使わなければなりません。

 

Tu t’est fâché(e)? きみ、怒ったの?

 

Elle s‘est fâchée avec sa meilleure amie. 彼女は親友と仲たがいした。

fâcher とse fâcher をしっかりと区別して使わないと、誰が誰を怒らせたのか、誰が怒っているのか、誤解を招くことになってしまうので注意してください。

止まる : s’arrêter

例えば「その車が私の前で止まった」というのは

La voiture s’est arrêtée devant moi.

のように、代名動詞のs’arrêter を使います。

s’arrêter : 止まる、停止する

 

arrêter : ~を止める、やめる、逮捕する

Je me suis arrêté devant la vitrine.
私はショーウィンドウの前で立ち止まった。

自分が立ち止まる場合には上のように言いますが、「~をやめる」という場合には arrêter を使います。

J’ai arrêté de fumer. 私はたばこを吸うのをやめた。

自分の体を洗う : se laver

se laver : 自分の体を洗う 

Elle s’est lavée sous la douche. 彼女はシャワーで体を洗った。

 

laver : ~を洗う Il faut laver la voiture ce week-end.
今週末車を洗わなければならない。

 

さて、自分の体を洗う場合には Je me suis lavé (e).

でよいのですが、自分の「手」や「髪の毛」など、体の一部を洗う場合には注意が必要です。

Elle s’est lavé les mains.          彼女は手を洗った。

ここでは、過去分詞の laver が主語の elle と性数の一致を行いません。

Elle s’est lavée sous la douche.  との違いは何なのでしょうか?

 

代名動詞における過去分詞の性数一致

代名動詞を複合過去にするとき、過去分詞が再帰代名詞 se の性数(つまり主語の性数)に一致するのは、「se が直接目的」の時だけです。

 

Elle se lavé. の場合、se は主語と同じ人を表す「直接目的」になります。(彼女は彼女を洗う=彼女は体を洗う)

それに対して、

Elle se lavé les mains. の場合には 直接目的は後ろにきている les mains (手) になるため、se は間接目的ということになります。「彼女は洗う」⇒「何を」⇒「手を」

「se が直接目的」なのか「間接目的」なのかは見分けが難しいですが、代名動詞の後ろに直接目的語が来ていれば (les mains など)、文中に直接目的語は1つしかないので se は間接目的と判断してもよいでしょう。


彼女が洗うのが、 « ses main » ではなく « les mains » と定冠詞を使うところもポイントです。

体の一部とその所有者との関係が明らかな場合には、体の部分の前には所有形容詞(mon, ton, son, など)ではなく定冠詞をつけます。

Elle a les yeux bleus.      彼女は青い目をしている。

ケガをした:se blesser       切った:se couper

「体をあらう se laver」に少し似た用法で、「けがをした」り「指を切った」場合にも代名動詞を使います。

se blesser :  けがをする、負傷する

Je me suis blessé (e) aux genoux.     私は膝にけがをした。

 

se couper :  (刃物で)けがをする、自分の~を切る

Je me suis coupé (e) au doigt.  私は指を切った。

 

ここでは se couper の後ろにつける前置詞もポイントです。

Se couper à + 体の一部 (体の一部を) ケガをする

Se couper    + 体の一部 切り落とす

例えば、

Elle s’est coupé les cheveux.  彼女は髪の毛を切った。

Elle s’est coupé les ongles.  彼女はつめを切った。

のように、髪の毛やつめのように体の一部を切り落としてしまう場合には se couper の後に直接定冠詞をつけた名詞を直接おきます。

それに対して、「体を切ってけがをした」という場合には上の例文のように à という前置詞をつけた後に、体の部分の名詞を持ってきます。

 

もし、

Elle s’est coupé le doigt.

というと、指を切り落としたことになり、大変なことになってしまいますよ~。


ここでも過去分詞の性数の一致を見てみましょう。

Elle s’est coupée au doigt.   彼女は指を切った。

 

se が直接目的なので、se の性数(つまり主語 elle の性数)に一致をします。

それに対して、

Elle s’est coupé les cheveux. 彼女は髪の毛を切った。

 

Elle s’est coupé les ongles.  彼女はつめを切った。

上の文の場合、直接目的は les cheveux, les ongles なので、se は間接目的ということになり過去分詞の coupé の形は変化しません。


幸か不幸か、以上の代名動詞の性数の一致は会話ではあまり気にしなくていいです。というのも、”e” が過去分詞についてもつかなくても、発音はまったく同じだからです。

女性が主語の場合、唯一気をつけておく代名動詞は

s’asseoir   座る

でしょう。これを複合過去にすると、

Elle s’est assise sur le canapé.    彼女はソファーに座った。

と過去分詞が s 直接目的の se (つまり主語 elle)に性数一致し、[アスィー] と音が濁ります。私がうっかりと、

Je me suis assis.   私は座った。

と言ったがために、フランス人の友人になんど「!」と訂正されたことか…。以前、フランス人の高校生の男の子に「ここは性数一致するんだっけ、しないんだっけ?」と聞くと、「僕は知らない。僕には関係ないことだから。」とかわされたことも。確かに男性はいいですよね~、性数一致を気にせずにしゃべれるんですから。

「僕には関係のないこと」と言った彼には、「そんなこと言ってたら、dictée (書き取りテスト)でひどい目にあうよ(笑)」と言ってあげました。

動画でも解説しましたので、ご覧ください。

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