フランス語の[b]と[v]の発音:エビアンの水が買えなかった友人の話
今日はエビアンのお水が買えなかった私の日本人のお友達の話です。
ある日彼女はパリを歩いていてのどが渇いたので、近くにあったお店でお水を買おうと思いました。ショーウインドゥにエビアンのボトルがたくさんならべてあったので、お店のおじさんに「エビアン」というと、
”Oui? [ウィ](はい?)”という反応。
もう一度「エビアン!」というと、
”Alors? [アロール](それで?)”
一向にお水をくれません。しかたがないのでショーウインドーを指さして、「これ、これ!」と言うと、ようやくわかってもらえたそうです。
さておじさんはどうして「エビアン」がわからなかったのでしょうか?
それは「ビ」の発音にあります。お水の Evian の「ビ」は [v]ですが、彼女は [b]と発音したために、”Et bien… [エ ビアン]” と聞こえてしまい、「それで…。」とか「えっと…。」という意味の間投詞(感嘆詞、感動詞ともよばれます)だと思われてしまったのです。ショーウィンドウの前で「えっと…」「だから…」と繰り返す彼女に、おじさんは「はい?」「それで?」と対応したのですね。
フランス語の[v][f]の発音
フランス語で v や f の文字が出てきたら、上の前歯を下唇の内側に軽くあてて「ヴ」や「フ」と発音します。英語のように下唇を「かむ」感じではなく、「下唇の内側に軽くふれる」感じです。
鼻母音の[ã]の発音
「エビアン」の発音にはもう一つポイントがあります。それは鼻母音の「アン」の音。フランス語でanというつづりがでてきたら、発音記号の[ã]という風に発音します。これは、口の形を丸くして、のどの奥の方から出す音で、「アン」よりも「オン」に近い音です。鼻母音を発音する時には、鼻の真ん中あたりに音の響きを集める感じに発音してみてくださいね。
それでは発音を聞いてみましょう。
“Une bouteille d’Evian, s’il vous plaît.” (エビアンのボトル1本ください。)
“Une bouteille de…” は「ボトル一本の~」という意味です。例えば、
une bouteille de vin rouge は、「1本の赤ワイン」という意味になります。このように、”une bouteille d’Evian” [ユンヌ ブテイユ デヴィアン] (エビアンのボトル一本)と言えると、たとえ[v] の発音が[b]になってもエビアンの水だとわかってもらいやすいでしょう。
「エ ビアン(えっと、だから….)。」
「エ、アロール?(はい、それで?)」
と一生懸命に言い合ってた場面、想像しただけで笑ってしまいます。
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