J’aime la pomme / les pommes ? フランス語の冠詞の使い方
日本人がフランス語を勉強する上で最も難しいのは、冠詞だと思っています。例えば日本語には冠詞がないために、「私はリンゴが好きです」という場合、「リンゴ」の前にはなにもつきません。
英語の場合はどうでしょうか。「私はリンゴが好きです。」は I like apples. となり、apples の前に冠詞はつきません。もし、I like an apple. というと、「私は1個のリンゴが好きです。」という意味になり、文章としてすこし変です。このように英語の場合、リンゴという種類全体を指す場合には名詞の複数形を用います。
ところがフランス語の場合には、J’aime les pommes. (私はリンゴが好きです)のように、名詞の前に定冠詞をつけなければなりません。
フランス語では、aimer (好む、愛する), adorer (大好きである、熱愛する), détester (嫌う) などの動詞の後にくる目的語の名詞には、定冠詞 (le, la, les)がつきます。ここで問題になるのが、うしろにくる名詞を「単数にするか、複数にするか」です。
原則的に、数えられる名詞の場合には名詞を複数形にして、複数定冠詞 (les) をつけます。
例えば
- J’aime les pommes. (私はリンゴが好きです。)
- J’aime les bananes. (私はバナナが好きです。)
- J’aime les tomates. (私はトマトが好きです。)
「リンゴ、バナナ、トマト」などは一つずつ数えられるため、数えられる名詞と考えられ、複数形にします。
ところが数えられない名詞の場合には、単数形にして単数定冠詞 (le/la) をつけるのです。
- J’aime la viande. (私は肉が好きです)。
- J’aime le café. (私はコーヒーが好きです)。
粒上のもの(米、砂糖)なども、数えられない名詞に含まれますので単数定冠詞です。
- J’aime le riz. (私はお米が好きです)
食べ物に限定してみてきましたが、la musique (音楽)、 la campagne (田舎)、le jazz (ジャズ) なども、単数定冠詞がつきます。ただし数えられない名詞というよりは、「ものの総称」として単数定冠詞をつけている、と考えた方がよいかもしれません。
- J’aime la musique. (私は音楽が好きです) =音楽というものを総称して
- J’aime la campagne. (私は田舎が好きです) =田舎というものを総称して
「数えられない名詞」というと、フランス語を少し習った人は「部分冠詞」を思い出すかもしれません。フランス語では通常、数えられる名詞には不定冠詞(un/une/des)をつけ、数えられない名詞には部分冠詞 (du/de la) をつける、と習いましたよね。
<数えられる名詞>
- un livre (1冊の本)
- une fille (1人の女の子)
- des voitures (数台の車)
<数えられない名詞>
- du lait (牛乳)
- du café (コーヒー)
- de la bière (ビール)
ところが、上でも言いましたように、aimer (好む、愛する), adorer(大好きである、熱愛する), détester (嫌う)などの動詞の場合には、後にくる目的語の名詞にはいつも定冠詞 (le, la, les) がつきます。ですので間違って、
- J’aime du café.
- J’aime de la bière.
としないように。正しくは
- J’aime le café.
- J’aime la bière.
となります。
以上のように、フランス語では冠詞の使い方がとても重要です。「冠詞なんて、話す時にはどうでもいいのでは?」と思うかもしれませんが、冠詞を正しくつけないと相手に伝わらない場合もありますので、しっかりとつけられるようにしましょう。
コメントを残す
Warning: Undefined variable $post_id in /home/theone001/tresbien.co.jp/public_html/wp-content/themes/the-one-theme/comments.php on line 13
Warning: Undefined variable $post_id in /home/theone001/tresbien.co.jp/public_html/wp-content/themes/the-one-theme/comments.php on line 14