悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである

最終更新日:2020年2月4日

私のメンターの方が、断食道場の先生にこんな言葉を聞いたそうです。

「人間は普通にしていると心は苦しみの方に体は楽な方に流れていく。心の病になったり、メタボになってしまうと。だからこそ、逆のアプローチ。心は楽に、体には厳しく(適度に)。」

これを聞いて、「なるほど、確かにそうだ」と思ったと同時に、フランスの哲学者、ジャーナリストであったアラン (Alain、本名は Émile-Auguste Chartier:1868-1951) の言葉を思い出しました。

彼が「幸福」について書いた短い文章を集めた本に、「Propos sur le bonheur (幸福論)」というのがありますが、その93番目で最後のエッセイ(Il faut jurer-誓わねばならない)に、こんな一文があります。

” Le pessimisme est d’humeur ; l’optimisme est de volonté. Tout homme qui se laisse aller est triste, mais c’est trop peu dire, bientôt irrité et furieux.”

「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。気分にまかせて生きている人はみんな、悲しみにとらわれる。いや、それだけではすまない。やがていらだち、怒り出す。」

 

道場の先生がおっしゃったという「人間は普通にしていると、心は苦しみの方に流れていく」という言葉。この「普通にしている」とはまさに「気分にまかせて生きる」ことで、自分の意志であえて楽観主義でいようとしないと、人間はどんどん悲観主義になってしまう性質の生き物なのでしょうね。

「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。」という言葉はアランの言葉としてよく引用されますが、調べてみるとフランスの哲学、物理学、数学者であるパスカル (Blaise Pascal 1623-1662) もこんな言葉をのこしていました。

Le pessimisme est affaire d’humeur, l’optimisme est affaire de volonté.

「悲観主義は気分の問題で、楽観主義は意志の問題だ。」

パスカルは、彼の死後出版された「パンセ Pansée」の中にある「人間は考える葦である」という言葉が特に有名ですが、彼もアランと全く同じことを書いていたのです。

ところで悲観主義というと、フランス人と日本人は悲観主義な国民性なようです。

アメリカのPew Researchが27か国の成人を対象に行った調査によると、「自分の世代と将来世代を比較して、将来世代の方が経済的に良くなっていると思うか」という問いに対し、先進国の中で「悪くなる」と答えたのはフランス人の80%がトップ、2位は日本人で76%、という結果が出ています。

こんな国民性だからこそ、我々にはアランやパスカルの言葉が響くのかもしれません。でもほんと、悲観主義なところだけではなく、フランス人と日本人には結構似たところがあるんです(職人/アルチザン精神を大切にするところ、とか)。二つの国民性の根底に流れるものが共通しているからこそ、お互いのカルチャーにひかれあうのでしょう。

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