フランス語で論理的に話す方法

最終更新日:2020年7月22日

フランスの政治討論番組を見ていると、ジャーナリストの質問に対して大臣が即座にしかも端的に回答をする場面がよくあります。あらかじめ用意されていた質問でないにもかかわらず、彼ら(彼女ら)は一瞬のうちに要点を3つにまとめあげ、「それには3つの理由があります。まず第一に…、第二に…、そして最後に…。」と答えてしまうのです。

政治家になるような人は、どんな質問にも即座に論理的に回答ができるよう大学時代から長い訓練を積んでいるわけですが、私達のような外国人でもちょっとコツをつかめばフランス大臣たちのように論理的な(に聞こえる)話し方ができるようになります。そのコツとは ” Les connecteurs logiques” を覚えることです。

 

私の持っている文法書が古いためか、この connecteurs logiques にあたる文法用語の和訳がみつからなかったのですが、単に「接続詞」といってしまうよりも、直訳をして「論理結合子」と呼びたいと思います。このように訳すと本来であれば論理学の分野の言葉になってしまうのかもしれませんが、難しく考えずに「論理的にはなすための接続詞」と思ってください。

 

この論理結合子とはなにかというと、日本語の「まず、そして、例えば、一方で、しかしながら、同様に、従って」などにあたる、文章と文章をつなぐ言葉です。これらの言葉をうまくつないでいけば、なんとなく論理的なことを言っているように聞こえる(中身があまりなくても!?)ので、論理結合子という名前はなかなか良いと思います。では具体的に見ていきましょう。

 

要点を3つにまとめる時に使うフランス語

これは、フランス人大臣がよく使う「いいたいことを3点でまとめる」時に使う言葉です。

まず第一に

Premièrement (第一に)

D’abord (最初に)

Tout d’abord (まず最初に)

En premier lieu (第一に)

Au premier abord (まず最初に、なによりも)

Avant tout (なによりもまず)

Avant toute chose (なによりもまず)

Pour commencer (最初に、手始めに)

Au début (最初)

Je commencerai par… (~から始めたいと思います)

 

2番目に、次に

Deuxièmement (二番目に)

Ensuite (それから)

Puis (そして)

En second lieu (次に)

de plus (さらに)

en outre (また)

de surcroît (そのうえ、おまけに)

encore (また)

Pour continuer (続けて)

J’ajouterai que…(~を加えたいと思います)

最後に

Finalement (最後に)

Enfin (最後に)

En définitive (結局、要するに)

En dernier lieu (最後に)

Tout compte fait (要するに)

En fin de compte (結局)

pour terminer (終えるにあたって)

pour conclure  (結論として)

pour finir  (終えるにあたり)

en conclusion(結論として)

Je terminerai en disant que… (~と言って終わりたいと思います)


それでは練習をしてみましょう。「あなたはなぜ犬よりネコの方が好きなのですか?」という質問に、論理結合子を使って答えてみます。

Pourquoi je préfère les chats aux chiens ? 「なぜ私が犬よりネコの方が好きかって?」

Premièrement, c’est parce que le chat nous offre plus de liberté. 「まず、ネコは我々により自由を与えてくれるからです。(ネコは毎日散歩につれていく必要がない)」

Deuxièmement, la société est moins tolérante avec les chiens. 「2番目に、社会は犬に対して(ネコよりも)寛容ではありません。(犬は吠えたり外で用を足すので、近所迷惑になることがある)」

Enfin, un chat coûte moins cher qu’un chien !「最後に、ネコは犬よりも安くつきます !(獣医に行く回数などを含め)」

このように答えを3つにわけて話すだけで、分かりやすく聞こえませんか?論理結合子を使って話すことは、仕事の場でとても大切になってきます。会議の場で上司に対して、または営業の場でクライアントに対して、ぜひこれらの言葉を組み合わせて「3つの要点」に絞って説明をしてみてください。

文と文の関係性をわかりやすくするフランス語

次に、文章と文章の関係をわかりやすくするための論理結合子を見ていきます。

このような文章があったとします。

A.

1)Il pleut dehors. Il faut mettre le manteau. 外は雨が降っている。コートを着なきゃ。

2)La voiture est en panne. Allez-y à pieds. 車が故障しています。歩いて行ってください。

1)2)共に、2つの文章の間にはなにも言葉がありません。

次に、同じ文章を論理結合子でつないでみましょう。

B.

1)Il pleut dehors donc je dois mettre le manteau. 外は雨が降っている、だからコートを着なきゃ。

2)La voiture est en panne alors allez-y à pieds. 車が故障している、だから歩いて行ってください。

A.の場合には理由を表す « donc や alors「~だから」 »という言葉がついていないので、文と文のつながりは暗に理解しなければなりません。その点、B. の場合には「だから」という言葉のおかげで2つの文章のつながりがよりはっきりとしています。

それでは、前後の文の関係性別に、さまざまな論理結合子をまとめてみましょう。

前の文章に意見や例などを追加する場合

et(そして)

de plus (また)

en outre (また)

par ailleurs(その一方で)(それに、ちなみに)

surtout (特に)

 

d’une part (一方で) / d’autre part(もう一方で)
D’une part il est travailleur, d’autre part il aime s’amuser. (彼は勤勉だが遊ぶのも好きだ。)

 

non seulement /  mais encore (~だけではなく、~も)
Elle est non seulement intelligente mais aussi belle. (彼女は頭がよくてしかも美人だ)

 

en effet (実際、確かに)
La météo a annoncé la pluie. En effet, il commence à pleuvoir.(天気予報は雨だった。確かに雨が降り始めた。)

 

前の事項と同様のことを言う場合

de même(同様に)

de la même manière(同じように)

 

ainsi que (~と同様に)
Mon père, ainsi que ma mère, travaille dans une école.(私の父は母と同様に学校で働いている)

 

comme (~と同様に)
ici comme ailleurs, (ここもあそこも=どこもかしこも)

 

譲歩を表す場合

malgré(名詞), (-にもかかわらず)
Il est sorti malgré la pluie. (雨にもかかわらず彼は外出した。)

 

sans doute / mais (なるほど…ではあるが)
Elle est sans doute belle, mais un peu froide.(彼女は美しいかもしれないが、少し冷たい感じがする。)

 

en dépit de(にかかわらず)
Elle est sortie en dépit du froid.(彼女は寒さにもかかわらず外出した。)

 

bien que (+ 接続法), (であるのにもかかわらず)
Bien que les salaires aient augmente, l’économie ne va pas bien.
(給料が上がったにもかかわらず、経済状況は良くならない。)

 

quoique (+接続法)(何を~しようとも)
Ne le croyez pas, quoi qu’il dise. (彼が何を言おうとも、信じてはいけませんよ。)

前の文章と反対のことを言う場合

mais (しかし)

 

au contraire (反対に、それどころか)
Au contraire de sa sœur, elle est très bavarde. (妹(または姉)とは反対に、彼女はおしゃべりだ。)

 

cependant (しかしながら)

pourtant (しかしながら)

en revanche (その反面)

 

tandis que(であるのに)
Alex est brun tandis que son père est blond.(アレックスはお父さんが金髪なのに髪が茶色だ。)

 

alors que(なのに)
Vous partez déjà, alors qu’il est encore tôt. (まだ早いのに、あなたはもう帰ってしまうのですか。)

 

néanmoins (しかしながら)
La situation était très grave ; néanmoins, ils gardaient l’espoir.(状況は厳しかった:しかし彼らは希望を失わなかった。)

 

toutefois (それでも、しかしながら)
J’ai de la fièvre, toutefois je dois terminer ce travail.(私は熱がある、それでもこの仕事を終わらさなければならない。)

 

or (しかしながら)

 

理由、原因を表す場合

car (なぜなら)

 

en effet  (実際、確かに)
Il n’est pas venu ; en effet, il était grippé. (彼は来なかった。実際、かれはインフルエンザにかかっていた。)

 

étant donné (から考えて、~なので)
Etant donné la situation, il faut agir vite. (状況が状況なので、早く対処しなければならない。)

 

parce que (なぜなら)

 

puisque (なのだから)
Puisque c’est nécessaire, je le ferai. (それが必要なわけだから、そうするよ。)

 

en raison de( ~の理由で)
En raison d’un incident technique, le trafic est perturbé.(技術的問題のため、交通が乱れております。)

 

sous prétexte que (を口実にして)
Sous prétexte que son réveil n’a pas sonné, il est arrivé avec une heure de retard.(目覚ましが鳴らなかったのを口実に、彼は一時間遅れて来た。)

 

dans la mesure où (なので、である点において)
Dans la mesure où il n’était pas au courant, on ne peut pas le lui reprocher.(彼はそのことを知らなかったのだから、彼を非難することはできない。)

 

Grâce à (のおかげで)
Grace à l’Internet, on peut trouver des informations avec facilité.(インターネットのおかげで、簡単に情報が見つかる。)

 

À cause de (のために、のせいで)
L’avion est en retard à cause de la tempête. (飛行機は嵐のせいで遅れた。)

 

条件を表す

Du moment que (であるからには)
Du moment que tu l’as dit, il faut le faire. (君はそう言った以上、やらなければならない。)

 

Si (もし)
S’il fait beau demain, je sortirai.(もし明日晴れたら、外出するでしょう。)

 

Au cas où (の場合には、もし~ならば)(+条件法)
Au cas où vous auriez un empêchement, je vous prie de me prévenir. (何か支障ができましたら前もってお知らせください。)

 

À supposer que (+接続法) (であると仮定して)
A supposer qu’il pleuve demain, que ferons-nous ? (明日雨が降ったとしたら、何をしようか?)

 

Pourvu que (しさえすれば、でありさえすれば)(+接続法
Fais tout ce que tu veux, pourvu que tu me laisses tranquille. (私を静かにしておいてくれるなら、何をしてもいいよ。)

 

même si (たとえ~でも)
Même si je le savais, je ne vous le dirais pas.(私がそれを知っていたとしても、あなたには言わないでしょう。)

 

Autrement (さもなければ)
Faites attention, autrement vous tombez.(気を付けて。さもなければ転びますよ。)

 

Sinon (そうしなければ、さもなければ)
Dépêchez-vous, sinon vous allez manquer le début du film.(急いでください、そうしなければ映画の最初を見逃してしまいますよ。)

 

Comme si (まるでーのように)
Il dort comme s’il était mort.(彼はまるで死んでいるかのように眠っている。)

 

Sauf si (もし~でなければ、する場合以外は)
Je n’irai pas sauf si tu m’accompagnes.(あなたが付いてきてくれないなら私は行きません。)

 

Par comparaison à (avec) ~と比較して

 

結果を表す言葉

donc (だから、それゆえ)
Je pense, donc je suis. (われ思う、ゆえにわれあり)

 

c’est pourquoi(そういうわけだから、だから)
Elle est encore en retard. C’est pourquoi il est fâché.(彼女はまた遅刻した。だから彼は怒っている。)

↑話し言葉では、C’est pourquoi” は “C’est pour ça que” と言います。

 

par suite (したがって、それゆえ)

 

de là (それゆえ、だから)
De là sa déception. (それで彼はがっかりしているのです。)

 

d’où (以上のことから、だから)
Ma voiture est tombée en panne, d’où mon retard.(私の車は故障しました。だから遅れたのです。)

 

dès lors (したがって、そうである以上)
Dès lors qu’il a donné le feu vert a ce projet, il n’y a aucun problème.(彼がこの計画にゴーサインを出した以上、問題はまったくない。)

 

de sorte que (したがって、それで)
Il est parti silencieusement de sorte que personne ne l’a remarque.(彼は静かに出ていったので、誰も彼に気が付かなかった。)

 

si bien que (その結果、従って)
Tu manges trop, si bien que tu grossis.(君は食べすぎだ、だから太るんだよ。)

 

par conséquent (したがって、だから)
Il n’est pas inscrit, par conséquent il n’a pas le droit de voter. (彼は登録されていない、従って彼には投票権がない。)

 

Ainsi (そういうわけで、したがって)
Tous ses parents sont déjà morts ; ainsi il est le seul héritier. (彼は両親はみなもう亡くなっている。従って相続人は彼だけだ。)

文章の構造を表したり、意見を並べる

Puis (次に、それから)

 

Alors (それで、だから)
On a manqué le train, alors on a pris un taxi.(私達は電車に乗り遅れたので、タクシーに乗った。)

 

Après cela (そのあとで、それから)

Ensuite (それから)

À la fin (最後に)

Quand(~するときに、~すると)

 

Dès que (~したらすぐ)
Dès qu’elle a vu sa mère, elle s’est mise a pleurer.(彼女は母親をみるやいなや泣き出した。)

 

Tout d’abord(まず初めに)

Pour commencer(始めるにあたって)

 

Tel que (~のような)
des peintres tels que Cézanne, Gauguin (セザンヌやゴーギャンのような画家)

 

Comme (~のような)

En général (通常)

Pour l’essentiel (基本的に)

En conclusion (結果として、結局)

Pour conclure(結論としては)

Dans l’ensemble(全体として、全体的に)

Bref (要するに)

Au final (最後に、最終的に)

en somme(結局)

 

tout compte fait (要するに、やはり)
Tout compte fait, c’était un travail qui n’était pas pour lui. (要するに、それは彼に向かない仕事だったのだ。)

 

En d’autres termes (言い換えれば)


いかがでしたか?上にあげた論理結合子は話言葉だけでなく書き言葉でも使えます。話し言葉では、”et puis” “donc” “alors” “ensuite” “bref” の繰り返しになりがちですが、書き言葉の場合には同じ結合子を繰り返さないように気をつけて、文章を組み立てるようにしましょう。各段落の最初になにかしらの結合子を入れることで、構造的に整った文章になります。

また、会話のあちこちにこのような言葉を入れるだけで、まるでネイティブかのように話せてしまいますので、ぜひ覚えて使ってみてください。

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