フランス語の複合語の複数形 “des chou-fleurs ou des choux-fleurs?”
フランス語には、2,3個の言葉がくっついて1つの名詞になっている語があります。
例えば:
un chou-fleur カリフラワー
une pomme de terre じゃがいも
un tire-bouchon 栓抜き
私が面白いと思う複合語には、
un lève-tôt 早起きの人
un couche-tard 遅寝の人
などがあります。
これらの複合語が複数形になった時、「どこに”s”をつければいいんだろう」と思いませんか?
des chou-fleurs?
des choux-fleurs?
ここでは、複合語の複数形の作り方について見ていきたいと思います。
フランス語の複合語の種類
ひとことで「複合語」といってもさまざまな種類があり、それぞれ複数形の作り方が異なります。
NOM+NOM (名詞+名詞)からなる複合語
un chou-fleur カリフラワー(キャベツ+花)
un wagon-lit 寝台車 (車両+ベッド)
このように「名詞+名詞」の組み合わせで作られる複合語を複数形にする場合には、両方の名詞ともに複数形にします。
des choux-fleurs (-ouで終わる名詞を複数形にする場合には « x »をつける)
des wagons-lits
ただし、次の言葉は例外です。
un timbre-poste → des timbres-poste (des timbres de la poste/郵便のための切手)=郵便切手
une station-service → des stations-service (stations pour le service/サービスのための駅)=ガソリンスタンド
une pause-café → des pauses-café (des pauses pour prendre un café/コーヒーを飲むための休憩)=コーヒーブレイク
上記の3つについては、後ろの名詞の前に「~の」や「~のための」という意味が隠されているため、複数形になっても後ろの名詞には «s»をつけません。
VERBE+NOM (動詞+名詞)からなる複合語
「動詞+名詞」で作られる複合語は数多くあります。
un porte-monnaie porter=持つ、monnaie=お金 「小銭入れ」
un tire-bouchon tirer=引っ張る、bouchon=栓 「栓抜き」
un chasse-neige chasser=狩る、追い払う、neige=雪 「除雪車」
un couvre-pieds couvrir=覆う、pied=足 「装飾用ベッドカバー」
un presse-fruit presser=絞る、fruit=果物 「果汁絞り器」
un casse-têtes casser=壊す、tête=頭 「知恵の輪、頭脳パズル、ジグソーパズル」
「動詞+名詞」からなる複合語の場合、複数形になっても動詞の部分は不変で、名詞は意味によって複数形の “s”をつける場合とつけない場合があります。
un porte-monnaie → des porte-monnaie (「お金」は数えられない名詞として不変)
un tire-bouchon → des tire-bouchons
un chasse-neige → des chasse-neige (「雪」は数えられない名詞なので不変)
un couvre-pied → des couvre-pieds
un presse-fruit → des presse-fruits
un casse-tête → des casse-têtes
ただし以下の語は、最初から名詞は複数形のままで、不変です。
un sèche-cheveux, des sèche-cheveux ドライヤー
un porte-avions, des porte-avions 航空母艦
NOM+ADJECTIF、 ADJECTIF+NOM
(名詞+形容詞または形容詞+名詞)からなる複合語
名詞に形容詞がくっついて、ひとつの言葉になる場合もあります。
un coffre-fort coffre=蓋つきの大箱、fort=強い 「金庫」
une grand-mère grand=大きな、 mère=母親 「祖母」
un beau-frère beau=美しい、義理の、 frère = 兄弟 「義理の兄弟」
une longue-vue longue=長い(longの女性形)、vue=視力、眺め 「望遠鏡」
このような複合語の場合には、形容詞も名詞も複数形をとります。
des coffres-forts
des grands-mères
des beaux-frères
des longues-vues
ただし、最初の言葉が “-o”で終わる場合には、その言葉は変化しません。
un micro-onde → des micro-ondes 「電子レンジ」
un anglo-saxon → des anglo-saxons 「アングロサクソン人の」
ADVERBE+NOM (副詞+名詞)からなる複合語
副詞と名詞がくっついた複合語をみてみましょう。
une arrière-boutique arrière=後ろの、boutique=店 「店の奥の間」
un avant-garde avant=前、garde=監視、見張り番 「前衛、アヴァンギャルド」
「副詞+名詞」からなる複合語が複数形になる場合には、副詞の部分は不変のままです。
des arrière-boutiques
des avant-gardes
NOM+PRÉPOSITION+NOM(名詞+前置詞+名詞)からなる複合語
une pomme de terre 「じゃがいも」が複数形になると、最初の名詞のみが複数形の形をとります。
un arc-en-ciel 「虹」も、”arc” のみが複数形になります。
une pomme de terre → des pommes de terre
un arc-en-ciel → des arcs-en-ciel
また、fruits de mer 「貝やエビなどの類(魚は入らない)」の”fruits”は最初から複数形で、不変です。
un fruits de mer, des fruits de mer
VERBE+VERBE (動詞+動詞)からなる複合語
「動詞+動詞」でひとつの語になっている場合もあります。
un savoir-vivre savoir=知る、vivre=生きる 「礼儀作法、社交術」
un va-et-vient va=aller 行く、vient=venir 来る 「往来」
un laissez-passer laissez=laisser ~を残す、passer = 通る「通行許可書、フリーパス」
これらの複合語は、複数形の形もこのままで不変です。
des savoir-vivre
des va-et-vient
des laissez-passer
このようにフランス語ではたくさんの複合語があり、トレデュニオン”-“で語と語をつなぐことで、新たな複合語を作ることができます。ちなみに、un couche-tôt(遅く起きる人)や un lève-tôt(早起きの人)は「動詞+副詞」の複合語ですが、複数形になっても形は不変です。
余談ですが、うちの子は赤ちゃんの時に非常に車酔いをする子でした。車にのって走り出すやいなやいつも「オえっ」とやっていたので、とうとうフランスの従妹たちが彼にあだ名をつけ、
「vomit-tôt (すぐに吐く人)」
「ヴォミトくん」と呼ばれていました…。(ちなみにこれは、複数形も形は不変ですね!)
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