フランスでは道の上を歩く?中を歩く?sur la rue, ou dans la rue ?
外国語を習う上で、前置詞の使い方を覚えることはとても大切です。同じフレーズを言う場合にも、言語によって使う前置詞が異なるからです。ここでは、「道を歩く」という文章を例にとってみてみましょう。
道の上を歩く?道の中を歩く? sur la rue ? dans la rue ?
「私は道を歩きます。」を英語で言うと
I walk on the street. (または I walk down the street. )
となりますが、フランス語の場合には
Je marche dans la rue.
となり、英語の on (~の上に)the street のように
Je marche sur la rue.
とはなりません。*フランス語でsur は(~の上に)という意味
フランスでは、道は中を歩くものなのです! dans (~の中に)
さらにややこしいことに、スペイン語では「私は道を歩きます」は
Camino por la calle. のように、por を使います。
スペイン語の por はいろいろな意味があり、フランス語にすると「pour, par, à cause de (手段、方法、基準、原因)」などの意味をすべて含むため使い方が難しいのですが、ここでは「~を通って」という通過点を表す意味で por を使っています。
ですので、フランス語話者がスペイン語を話すと、よく
Camino en la calle.
と、間違えてしまうわけです。 (en = フランス語の dans にあたります)
同じように、
I walk on the street. と英語で習った人であれば、
Je marche sur la rue. と言いたくなりますが、正しくは dans la rue なので、混乱しますよね。
これはもう、
学習する言語によって、前置詞ごと覚えるしかありません。
例えば日本語を話す外国人は、「道の上を歩く」と言ってしまいがちですが、「日本語では “道を歩く”んです」、と理屈抜きに覚えてもらうしかないのと同じです。
外国語を話す際には、自分の母国語から直訳する癖は治しましょう。
それでは今日のポイントをまとめてみます。
私は道を歩く。
Je marche dans la rue. dans (~の中に、中で)
ところが、歩く場所が la rue (道)ではなくなると、どこを歩くかによって前置詞が変わります。
Je marche sur le boulevard. (le boulevard = 大通り)
Je marche sur le chemin. (le chemin = 道、道筋、道路)
Je marche sur la route. (la route = 道路、街道)
Je marche sur la place. (la place = 広場)
Je marche dans / sur l’avenue. (l’avenue = 大通り)
私のイメージとしては、rue というのは本来は生活の場で、人々が集まって井戸端会議をしたり、物を売り買いしたり、子供達が遊んだりする場所なので、dans (~の中で)を使う気がします。
Les enfants jouent dans la rue. 子供達が道で遊んでいる。
また、人々がデモに参加する時の、
Les gens descendent dans la rue. (人々は街なかへ繰り出す。)
という言い方も、dans がぴったりです。
一方で、boulevard や route などは、どこか別の場所へ移動するための通路だから sur (~の上を通って)なのかもしれません。
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