フランス語の手紙やメールの結びについて
フランス語で手紙やメールを書く際に困るのが、書きだしと結びの言葉。フランス語にも「拝啓/敬具」に似た決まり文句があります。ここでは、手紙やメールの最後に書く結びの言葉をご紹介します。
フランス語の手紙やメールの基本的な結びの言葉
以下の「結びの言葉」は、仕事上のメールや、一般的なメールや手紙(家族や友達、恋人などの親しい人以外に書く場合)の最後に書く結びの言葉です。
- Cordialement, (心をこめて)
- Sincèrement, (敬具、心をこめて)
- Sincères salutations, (心を込めて)
- Bien cordialement, (心を込めて)
- Bien sincèrement, (心を込めて)
- Cordialement vôtre, (心を込めて)
- Sincèrement vôtre, (心を込めて)
- Bien à vous, (ではまた)
- En vous souhaitant cordialement une excellente journée, (心を込めて、素晴らしい一日をお過ごしください)
- Avec mes salutations, (心を込めて)
- Avec mes remerciements, (感謝をこめて)
以上の結び言葉の最後はピリオド(.)ではなくコンマ(,)になります。
ちなみに私が仕事で最もよくつかうのは
Cordialement,
そして、毎日のようにメールをする仕事相手には、もう少し親しみを込めて
Bien cordialement,
を使っています。
また年上の元上司は、私へのメールはいつも Bien à vous を使って結んでいます。
以上が仕事で最もよく使う結び言葉ですが、仕事関係の相手でも、もう少し堅苦しくない結び方がしたい場合には(長年のおつきあいがある親しいクライアントの場合など)、以下のような結び方もよいでしょう。特に女性がよく使うのは、
Je vous souhaite une belle journée, (素晴らしい一日をお過ごしください)
Belle journée, (素晴らしい一日を)
またはもっと一般的に
Bonne journée, (よい一日を)
などもよいでしょう。上の2つを比べると、Bonne (bon=「よい」という形容詞の女性形)ではなく、belle (beau = 「美しい」という形容詞の女性形)を使っているところが、少しフェミニンな雰囲気を出しています。
Bonne journée, や Belle journée, は、友人や家族との間のメールにも使えます。
自分より役職や身分が上の人、クライアントに宛てた手紙、メールの一般的な結びの言葉
こちらは先ほどの結びよりも、形式的で丁寧な結び言葉です。まったく知らない人、特に親しくない間柄の場合には、以下の形式的な結びを用いる方がよいでしょう。すべて決まり文句で、意味は「敬具」という感じに近いです。
メールや手紙の相手が誰かわかっている場合には、男性宛てなら Monsieur、女性宛てならMadameをつけますが、行政や学校の事務局宛てなどのメールで相手が分からない場合には、Madame, Monsieurと両方つけます(レディファーストでマダムが最初ですので、ご注意を)。
- Veuillez agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mon profond respect.
(相手が分かっている場合には、女性ならMadameを、男性ならMonsieurのみを書く。) - Veuillez agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mes sentiments respectueux.
(相手が分かっている場合には、女性ならMadameを、男性ならMonsieurのみを書く。) - Veuillez croire, cher Monsieur, à mes sentiments cordiaux et respectueux.
(相手が男性の場合。女性なら、chère Madame) - Je vous prie de recevoir, Madame la Directrice, mes respectueuses salutations.
(相手が女性のディレクターの場合) - Je vous prie d’agréer, Monsieur le Directeur, l’expression de mon profond respect.
(相手が男性のディレクターの場合) - Je vous prie d’agréer, Monsieur, l’assurance de mon profond respect.
(相手が男性の場合、女性ならMadameに替える) - Recevez, Madame, Monsieur, mes salutations respectueuses.
(相手が分からない場合) - Recevez, Madame, Monsieur, mes sincères salutations.
(相手が分からない場合) - Je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, mes salutations distinguées.
(相手が分からない場合) - Veuillez agréer, Madame, Monsieur, mes salutations distinguées.
(相手が分からない場合) - Veuillez agréer, Madame, Monsieur, mes meilleures salutations.
(相手が分からない場合) - Veuillez recevoir, Madame, Monsieur, l’assurance de ma considération distinguée.
(相手が分からない場合) - Je vous prie d’agréer, Madame, mes respectueux hommages.
(女性の場合。男性ならMonsieurにする) - Recevez, Monsieur, mes salutations distinguées.
(男性の場合。女性ならMadameにする) - Nous vous prions d’agréer, Monsieur, l’expression de nos sentiments respectueux et dévoués.
(男性の場合。女性ならMadameにする) - Nous vous prions de croire, Monsieur, à l’expression de nos sentiments les plus dévoués.
(男性の場合。女性ならMadameにする)
フランス語のメールや手紙で、相手の許可や返事を待つ場合の結び言葉
以上が一般的な結びですが、相手の返事を待つ場合や、相手との面会が予定されている場合には、もう少し言葉を付け加えてもよいでしょう。
相手の許可を待つ場合には、以下のように結べます。
- Dans l’attente de votre accord, je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, mes salutations distinguées.
“Dans l’attente de votre accord,”という部分が、「あなたの同意をお待ち申しております」という意味になります。
ここではMadame, Monsieurとしましたが、相手が分かっている場合には名前を入れます。例えばMonsieur Dupont (デュポン氏)に宛てたメールや手紙の場合には、Dans l’attente de votre accord, je vous prie d’agréer, Monsieur Dupont, mes salutations distinguées.としてください(以下、同じです)。
次に、相手の返事を待つ場合は、
- Dans l’attente de votre réponse, je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mes sentiments distingués.
(相手がわからない場合)
“Dans l’attente de votre réponse,” という部分が、「あなたのお返事をお待ち申しております」という意味になります。
さらに、相手からの返事が早くほしい場合には、
- Dans l’espoir de vous lire sous peu, je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mes sentiments distingués.”Dans l’espoir de vous lire sous peu,”の部分が、「すぐにあなたのお返事が読めることを願って」といった意味になります。
相手との面会を望む場合には、
- Dans l’attente de vous rencontrer, je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mes sentiments distingués.”Dans l’attente de vous rencontrer,” という部分が、「あなたにお会いできることを願って」といった意味になります。
相手と近々会うことが予定されている場合には、
- Dans l’attente de vous recevoir à Tokyo, je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mes sentiments distingués.”Dans l’attente de vous recevoir à Tokyo,” の部分が「東京でお会いできることをお待ちしております」といった意味になります。
相手と一緒に仕事をすることになっている場合には、
- Dans l’attente de travailler avec vous, je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mes sentiments distingués.”Dans l’attente de travailler avec vous,”の部分が、「あなたと一緒に仕事ができることを楽しみにしています」といった意味になります。
年上の知人や親しい人にあてたメールや手紙の結びの言葉
同年代の友人に宛てたメールや手紙の最後は、
À bientôt, (またね)
Bisous, (キス)
Bises, (キス)
だけでよいですが、年上の親しい友人や知人(または年上でなくても関係に距離があるような友人や知人)に対しては、もう少し丁寧な方がよい場合があります。そのような場合には、以下の結び言葉を参考にしてください。
- Veuillez trouver ici l’assurance de mon amitié. (友情をこめて)
- Recevez, avec toute mon amitié, mes salutations distinguées. (深い友情をこめて、敬具)
- Recevez, cher ami, mes sincères salutations.(親愛なる友へ、敬具)
- Amitiés. (友情を込めて)
- Amicalement. (友情を込めて)
- Veuillez trouver ici l’assurance de mon amitié. (友情を込めて)
- Toutes mes amitiés. (心から友情を込めて)
フランス語のネイティブにとっても、このような結び言葉が必要のないショートメッセージに慣れている若い世代にとっては、形式的な結び言葉は最初は難しいものです。しかし、仕事上のメールや行政、学校等に宛てた形式的なメールを送る際には、相手との関係に応じて、以上のような結びをするようにしてください。
フランス語のメールの書き出しについては、こちらの記事をご参照ください。
コメントを残す
Warning: Undefined variable $post_id in /home/theone001/tresbien.co.jp/public_html/wp-content/themes/the-one-theme/comments.php on line 13
Warning: Undefined variable $post_id in /home/theone001/tresbien.co.jp/public_html/wp-content/themes/the-one-theme/comments.php on line 14
2件のコメント