勝ってにしやがれ / Allez vous faire foutre
2021年9月6日に88歳でお亡くなりになったフランス人俳優、Jean-Paul Belmondo 氏。そして2022年9月13日には、映画監督 Jean-Luc Godard 氏が91歳でお亡くなりになりました。
今日は彼らのお二人の代表作でもある “À bout de souffle(日本語タイトル「勝手にしやがれ」)” の抜粋を見ながら、フランス人はよく使うのだけれども普通のフランス語の授業ではあまり習わない動詞、”foutre” を見てみましょう。
【音声の書き起こし】
J’aime beaucoup la France.
Si vous n’aimez pas la mer,
Si vous n’aimez pas la montagne,
Si vous n’aimez pas la ville…,
Allez vous faire foutre !
Ooh hoo! Deux petites filles qui font de l’auto-stop.
D’accord je stoppe et je facture un baiser du kilomètre.
La petite n’a pas l’air mal. Elle a de jolies cuisses. Oui mais l’autre oh… mais après tout, merde ! Elles sont trop moches !
【和訳】
俺はフランスが大好きだ。
もしあんたが海が好きじゃないんなら、
山が好きじゃないんなら、
街が好きじゃないんなら…
勝手にしやがれ!
おぉ!二人の若い子たちがヒッチハイクしてる。
よし、止まってやって、1キロにつきキス1回を請求してやろう。
彼女は悪くなさそうだな、いい太ももしてる。でももう一人の方は、あぁ… くそっ、結局、両方ともブスじゃないか!
現代の “A bout de souffle” というのは「疲れ果てて」「息切れして」というような意味ですが、邦題はこの最初に出てくるセリフの:
Allez vous faire foutre !「勝手にしやがれ!」
から取っています。
この foutre という動詞はフランス語の文法の授業ではあまり出てきませんが、よくフランス人が使う動詞です。意味は faire に少し似ています。
foutre の意味
①…をする、やる
②…を(乱暴に)置く、ほうる
③…を食らわす、くれてやる
④ se foutre (代名動詞)…を馬鹿にする、無視する
このように、少し乱暴な話言葉です。
では foutre の直接法現在形の活用を見てみましょう。
過去分詞は foutu です。
動詞 foutre を使った例文
- Foutez (Fous)-moi la paix ! ほっといてくれ!
- Il n’a rien foutu de la journée. やつは一日中なにもしなかった。
- Qu’est-ce qu’il fout? あいつ何やってんだ?
- Qu’est-ce que ça peut me foutre? それが私のなんの関係があるってんだ?
- Fous ça par terre. それを捨てろ。
- Foutez-le à la porte. やつを追い出せ。
- Elle m’a foutu une baffe! 彼女、俺に平手打ちを食らわせやがった!
- Tu te fous de moi? お前、俺を馬鹿にしてるのか?
- Je m’en fous ! 知ったことか、かまうものか!
フランス人のお友達がいる方なら「そういえばよく聞く!」と思ったのではないでしょうか?あまりお上品な言葉ではありませんが、日常会話でよく使われますので、映画などでもよく出てくる動詞です。音が同じなので、皆さんの中にはもしかしたら ” fou (気の狂った)” という形容詞だと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんね。
Jean-Luc Godard 氏、そして Jean-Paul Belmondo 氏のご冥福をお祈りします。
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