フランスの大学の学費っていくら?
モントリオールに住む娘に会いに行った時に、彼女のボーイフレンドのDylan 君(トロント出身のカナダ人)に会いました。彼は娘と同じ大学に通う大学生なのですが、娘のフランス側の家族がみな非常に長い期間高等教育を受けたということに驚いていました。
例えば博士号を取るには Master (修士号・2年間)のあとにさらに3年~5年間(つまりバカロレアの後8年~10年)、医学部だとバカロレアの後に9年間、専門医になる場合には10~12年間の勉強が必要になります。「どうして皆こんなに長い間勉強ができるの?」と非常に驚いていたのですが、夫の答えは「フランスは学費が安いから」でした。
フランスの国立大学の学費
フランスでは、国立の高等教育機関の学費の多くを国が負担してくれます。実際にかかるフランスの大学の学費は1年間に約10 000 €と、他の国の大学と同じか高いぐらいなのですが、フランスは政府が学費の大部分を負担してくれるために、学生は非常に安く高等教育を受けることができるのです。
2018/2019 年のフランスの国立高等教育機関の授業料
- Licence(学士過程):170 € /年 (licence は bac+3 といって、バカロレア取得後3年間の勉強で得られます)
- Master (修士過程):243 €/年(master は bac+5 といって、 バカロレア取得後5年間の勉強で得られます)
- すべての大学ではありませんが、エンジニアの過程 (formation d’ingénieur): 601€/年
- Doctorat (博士課程):380€/年
このようにフランスでは国立の大学に入った場合には、修士号まで進んでも5年間で合計 996€(約13万円)しかかからないのです。
国立の高等教育機関というのは、例えばパリの大学であれば:
- Université Paris-I
- Paris-III
- Université Sorbonne
- Paris-VIII
- Paris-X
- Paris-XII
- Paris-XIII
などがあります。
EU 以外の外国人学生の場合の学費は?
ただし、EU 以外の国籍をもつ学生のすべてがフランス人学生と同じ額の学費になるとはかぎりません。通常、EU 以外の国籍をもつ学生の学費は:
- Licence(学士過程):2770 € /年
- Master (修士過程):3770 €/年
と金額がかなり違ってきます(それでも日本やその他の国の学費に比べるとかなり安いですが)。
けれども、以下の条件を満たす外国籍の学生の場合には、フランス人やEU内の学生と同じ金額の学費が適応されるそうです。
- フランスの長期間の滞在許可書を持っているか、2年以上前からフランスで税金を支払っている場合。
- 前年度にすでにフランスの高等教育機関で licence, Master, Doctrat などに在籍していた場合。
- 前年度に フランス語教育機関 (centre de français langue étrangère (FLE)) に在籍していた場合。
ですから、私達日本人学生でもフランス人学生と同じ学費で大学の授業を受けられる可能性は十分にあるのです(例えば私はリヨン第二大学の外国人のためのフランス語コースに在籍してから licence の最終学年に入学したので、フランス人と同じ学費でした)。
また、私が留学をしていたころは学生ビザで週に20時間まで働けたので(今も年間964時間まで労働可能)、大学に通いながら働いて生活費を補うことも可能でした。ただし1年目は授業についていくのが精いっぱいで、働くなどとんでもありませんでしたが…。
このように見ると、アメリカの大学などに比べるとフランスの学生はかなり安い学費で高等教育が受けられるので、とても恵まれていますよね。
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