J’ai bientôt fini. もうすぐ終わった?
うちの息子がよく言う変な日本語に「もうすぐ終わった」というのがあります。これは、フランス語の ”J’ai bientôt fini.” をそのまま日本語に訳して言うためです。日本語だと「もうすぐ終わる」と現在形で言いますよね。
それにしてもこの ”J’ai bientôt fini.” はいつも「変な時制だな」と思います。bientôt 「もうすぐ、やがて、近いうちに」という未来のことを示す副詞なのに、avoir fini という複合過去と一緒に使うなんて。息子が「もうすぐ終わった」と日本語に訳してしまうのも無理ないと思います。
Tu vas bientôt finir ? もうすぐ終わるの?
ある日、普段あまり本を読まないフランス人の夫が、何日間も真剣に推理小説を読んでいたので、
“Tu es vraiment absorbé dans ton livre ! Tu vas bientôt finir, non?”
「すっかり本に没頭してるね。もうすぐ読み終わるんじゃない?」
と私が近接未来言った後に、「この場合には Tu vas bientôt finir ? って言うので合ってる?」と聞くと、夫は「そうだ」と言うのです。
では、Tu as bientôt fini ?どういう違いがあるのでしょう?
“Tu as bientôt fini?” という質問をするシチュエーションは、このような場合です。
“Tu as bientôt fini? On va manger !” 「もうすぐ終わるの?食事するわよ。」
“Ouai, j’ai bientôt fini.” 「うん、もうすぐ終わる。」
この場合は、” Tu as fini.” “J’ai fini.” という複合過去の「終わった」という状態に焦点が当てられていて、その状態が「もうすぐか?」と聞いている感じがします。
けれども、
“Tu aimes vraiment ce livre. Tu vas bientôt finir, non?”
“Oui, je vais finir aujourd’hui, je pense.”
「その本が本当に好きなのね。もうすぐ (読み) 終えるんじゃない?」
「うん、今日終えると思うよ。」
の場合には、”aller finir” という近接未来を使って、「終わる、終える」という動作に焦点が当てられる感じです。これは単純未来で言っても同じニュアンスになります。
Tu finiras bientôt ton livre ?「もうすぐ本を(読み)終えるの?」
これも、「終える」という動作に焦点が向けられています。
J’ai bientôt fini. 近い未来における完了
J’ai bientôt fini.
「もうすぐ」と「終えた」が共に出てくるこの不思議な時制は、複合過去の中の「近い未来における完了」という用法になります。これは、「ごく違い未来に “~してしまっている” と言う場合に使います。
J’ai bientôt atteint mon objectif. → もうすぐ目標を達成する。
J’ai bientôt récupéré toutes les données. → もうすぐすべてのデータを回収する。
このように、「終わった状態」に焦点を当てる場合には、
J’ai bientôt fini.
と複合過去で言いますが、「終えるという動作」に焦点を当てる場合には、
- Je finis bientôt.(現在形)
- Je vais bientôt finir.(近接未来)
- Je finirai bientôt.(単純未来)
などのように、現在形や近接未来、単純未来を使って言います。
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