私は怒ってるのよ![h] の発音について

最終更新日:2020年2月3日

私がイギリスに短期英語留学をしていた時の話。同じクラスに、目の色がとってもきれいなフランス人の女の子がいました。

授業が終わると、突然彼女が

「私は怒っているのよ!」というのです。

なにか嫌なことでもあったのかなぁ、と思いながら「どうしたの?」と聞くと、別に怒っているわけでもなさそう。

いったい何が起こったのでしょう…?


なんのことはない、彼女は単に「おなかがすいた」”I’m hungry.”と言ったのでした。

フランスではつづりに ”h” があっても発音をしません。例えば「ホテル」という単語 ”hôtel” は、「オテル」と発音をします。

このようにフランス語には”h”の発音がありませんから、フランス人は”h”が苦手。彼女も
”I’m hungry.” の ”h” をうまく発音できないので ”I’m angry.” になってしまったのでした。

どこの国の人も、母国語にない音は発音が苦手です。

 

  • 有性のh、無声のh

ところが発音されないにも関わらず、フランス語の”h”には「有声のh」と「無声のh」の2種類があります。

例えば”hôtel”(ホテル)。この”h”は無性のhですが、”héros”(英雄、ヒーロー)の”h”は有声の hです。ただし「有声」といっても発音するわけではなく、やはり「エロ」と言います。

「有声」と「無声」の区別が必要になるのは、リエゾン等の「発音合体」が起こる場合です。例えば定冠詞をつけて「それらのホテル」という場合、les hôtels となり[レ ゾテル]とリエゾンをしますが、「それらの英雄たち」という場合には、les hérosを[レ エロ]とよみ、[レ ゼろ]とリエゾンをしてはいけません。なぜならこの英雄の”h”は「有声」なので、あるものとして考えるのです。

les hôtels [レゾテル]

les héros [レ エロ]  (リエゾンしない)

 

定冠詞の単数形を付ける場合も同じです。

L’hôtel のように、無声の h の前では定冠詞 le が l’ となって母音の e が落ちますが、le héros のような有声の h の前では、le のままになります。

この有声のhに関して日常会話でよくやる間違いは、“haricot” [アりコ]という単語。これは「インゲンマメ」という名詞ですが、このhは「有声のh」なので、des haricots [デ アリコ]と言わなければなりません。これをフランス人の子供がよく、[デ ザリコ]とリエゾンしてしまいますが、リエゾンをしてはいけないのです。

des haricots [デ アリコ] (リエゾンしない)

 

それではどうやって「有声のh」と「無声のh」を見分けるのでしょうか?

残念ながら、辞書で調べるしかありません。単語のhの前に Ϯ このような十字架の印が付いていたら、それは「有声のh」という意味ですので、前の冠詞とリエゾンをしないように気を付けましょう。会話で一番よく出てくる「有声のh」は、ここでご紹介した“haricot”と”héros”ですので、これらをまず「有声だからリエゾンしない!」としっかり覚えましょう。


ちなみにフランス人がいう「エロキチ」ってなんのことか分かりますか?

 

”Hello Kitty(エロキチ)”

キティちゃんのことを、フランスでは「エロキチ」というのです…。”h” は発音しませんからね。かわいそうなキティちゃん。

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