フランス語で「髪を切った」はどう言う?

最終更新日:2020年3月16日

ある日、フランス人の友達が髪をさっぱりと切っていました。それを見て「あ、髪切ったの?」とフランス語で言いたい場合、どう言えばよいでしょうか?一見簡単そうに見えて、これが意外にややこしいのです。今日は、「髪を切った」という表現について解説をしてみたいと思います。

フランス語で「爪を切る」はどう言う? 代名動詞の再帰用法

例えば「切る」という他動詞を使って「私はリンゴを一個切る」という場合には、

Je coupe une pomme.

のように、 « couper »の後に「1個のリンゴ」を直接目的語として置きますよね。

ところがこれを「自分の~を切る」という意味にする場合には、動詞は « couper » ではなく、代名動詞の « se couper » を使います。この動詞の帰用法というのは、「自分を~する」という意味にする場合の使い方です。 « se couper » は、「自分の~を切る」、または「自分の~を切る、すなわち、けがをする」という意味になります。

 

ここで、« se » の部分(文法用語では代名詞 « pronom »)は、主語に合わせて形を変えなければなりません。つまり

主語が 

Je の時は      me

Tu  の時は     te

Il/elle, on の時は  se

Nous  の時は    nous

Vous  の時は    vous

Ils/elles  の時は  se

になります。

 

以上のことを考えると、「私は爪を切る」は

Je me coupe les ongles.

となるのが分かります。

余談ですが、ここで「爪 」« les ongles »を « mes ongles »(私の爪)としたくなった方はいませんか?けれどもフランス語の場合、体の一部とその部分の所有者が明らかである場合には、所有形容詞 (mon,ma,mes…) ではなく定冠詞 (le/la/les) を使います。

例えば、

  1. J’ai les yeux marrons.    (私の目は茶色い。)
  2. Il a les cheveux bouclés. (彼は髪がカールしている。)
  3. Je me brosse les dents.    (私は歯を磨く。)

 

1.の場合、”J’ai (私は~を持っている)”ですから« yeux » は「私の目」であることが明らかなので « les yeux »といい、2.の場合にも « cheveux »は「彼の髪」なのが明らかなので « les cheveux » となります。3.も “me borsse” なので自分の歯なのは明らかです。

ですので、 « je me coupe… » と始まった場合にも自分の体の一部を切ることは明らかなので、定冠詞をつけて « les ongles »とします。

フランス語で「髪を切る」はどう言う?
se faire ~「~してもらう」

次に、「髪を切る」場合を考えてみましょう。まず気をつけなけらばならないのは、日本語で「髪を切る」と言いますが、正しくは「髪を切ってもらう」であることです。ですから、日本語をそのままフランス語に訳して

Je me coupe les cheveux.  私は髪を切る。

というと、「自分で自分の髪を切る」という意味になってしまいます。自分で髪を切る場合にはいいですが、美容院に行って切ってもらう時には、

Je me fais couper les cheveux.  私は髪を切ってもらう。

というように、faire をつけて「~してもらう」としなければなりません。

se faire ~ = ~してもらう

faire のあとにくる動詞は不定詞(動詞の活用していない形)です

se faire を使った例を挙げてみましょう:

  1. Elle se fait teindre les cheveux.       彼女は髪を染めてもらう。
  2. Je me fais maquiller.                      私はメイクをしてもらう。

これらを「自分でやる」場合には、

  1. Elle se teint les cheveux.                 彼女は髪を染める。
  2. Je me maquille.           私はメイクをする。

となります。

フランス語で「髪を切った」はどう言う?

次に、「髪を切ってもらう」を過去形にしてみましょう。重要なのは、代名動詞を複合過去形にする場合には、助動詞は必ず « être » をつかうということ。一般の動詞の場合には、動詞によって « avoir » を助動詞に使う場合と« être »を使う場合の2通りありますが、代名動詞の場合は« être »のみです。ですから

Je me suis fait couper les cheveux. 私は髪を切ってもらった(髪を切った)

 

となります。ここで注意するポイントが2つあります。

  1. faire の過去分詞は fait
  2. この fait は、主語と性数の一致をしない(形は常にfait で不変)

つまり、 « Je= わたし»が女性でも « faite » ではなく« fait »のままです。ただしこれはあくまでも「se faire + 動詞の不定詞~」の複合過去の場合です。ですので、

Elle s’est brossée les dents.   彼女は歯をみがいた。

の場合には、過去分詞の « brossé » が主語と性数一致をして « brossée »となります。


それでは、最初の問題に戻ります。髪を切った友達に「髪きったの?」というには、どうすればよいでしょうか?正解は、

 Tu t’es fait couper les cheveux ?    髪切ってもらったの?(髪切ったの?)

です。さきほども言いましたように、友達が男性であろうと女性であろうと « fait » の形は変わりません。女友達だからつい « faite [フェット]» としないように。

それでは最後に、主語を « vous あなた » にして言ってみましょう。例えば先生が髪を切ったのを見て、「髪を切ったのですか?」はどのように言えるでしょうか?

Vous vous êtes fait couper les cheveux ? 髪を切ってもらったのですか?(切ったのですか?)

少しややこしいですが、できましたか?

“vous” で話すのって、ちょっと難しいですよね。私はフランス語初心者のころ、友達とはだいたい普通に話せていても、先生や見知らぬ人、友達のご両親と話すとなると途端に無口になってしまいました。というのも、”vous” の時の動詞の活用が苦手だったからです。多くのフランス語の動詞は「私、きみ、彼/彼女、彼ら/彼女ら」の形が発音は同じです(つづり字は異なりますが)。しかも「私達」 “nous” は “on” に置き換えられるので、会話ではたいてい皆 “nous” ではなく”on”を使って話します(”on” の時の動詞の活用は、il /elle と同じです)。つまり、話言葉の場合、動詞の活用の中で「あなた(達)”vous”」 のみ発音が異なるのです

学生の場合には[エム] で話す機会が圧倒的に多いので、”vous” の活用がなかなか覚えられない。日本人の若い人が尊敬語や謙譲語が苦手なのとちょっと似ているかもしれませんね。


さて、もしお友達が美容師さんなら、

Regarde, je me suis coupé les cheveux !
見て、僕髪きったんだ!(自分で切ったんだ)

と言う場合もあるでしょう。そんな時には「あ~、se faire couper じゃないんだ」と思いながら、

Tiens, tu es doué ! 「へえ、うまいね!」

と言ってあげてくださいね。(être doué= 上手である)

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