複合過去で助動詞に être を使う動詞、avoir と être 両方を使う動詞

最終更新日:2022年10月31日

フランス語の複合過去 (passé composé) を作る際には、助動詞に avoir または être をつかい、その後に過去分詞を置きます。フランス語のすべての他動詞と大部分の自動詞で助動詞に avoir を使いますので、「ほとんどの動詞は複合過去を作る際には助動詞に avoir を使う」と覚えていいでしょう。

それでは、どのような動詞の時に助動詞に être を使うのでしょうか?

助動詞に être をとる動詞

複合過去を作る際に助動詞に être をとる動詞としては、まず以下の14個の動詞を覚えましょう。

助動詞に être をとる14の「移動の」動詞

 

arriver/partir Il est arrivé.
彼は到着した。
Il est parti.
彼は出発した。
entrer/sortir Il est entré.
彼は入った。
Il est sorti.
彼は出た。
monter/descendre/tomber Il est monté.
彼は登った。
Il est descendu.
彼は降りた。
Il est tombé.
彼は落ちた。
aller / venir Il est allé.
彼は行った。
Il est venu.
彼は来た。
naître / mourir Il est né.
彼は生まれた。
Il est mort.
彼は死んだ。
passer Il est passé.
彼は通過した。
retourner Il est retourné.
彼は戻った。
rester Il est resté.
彼はとどまった。

これらの動詞は「移動の動詞」または「往来発着の動詞」と呼ばれます。
rester (とどまる)は「移動距離ゼロ」と考え、助動詞に être を使います。

ただし、marcher(歩く)、courir (走る)、sauter (跳ぶ)、visiter(訪れる)といった動作の動詞は、助動詞に avoir を使うので注意してください。「歩く」「走る」など移動の「手段」を表す場合には avoir と考えるといいかもしれません。

上にあげた14の動詞は最初に覚えるべき基本の動詞ですが、複合過去を作る際に助動詞に être をとる動詞はこの限りではありません。上にあげた venir から派生した動詞 (devenir, revenir) もそうですし、mourir と同義語の décéder、「現れる」という意味の apparaître も一般的には助動詞に être を使います。

また、代名動詞を複合過去にする際にも助動詞には être を使います。

Je me suis réveillé à 7 heures ce matin.  私は今朝、7時に目覚めた。

過去分詞の性数一致

助動詞に être を取る場合、過去分詞は主語の性数に一致します。

Hier soir, Emma est rentrée à la maison à 23 heures.
昨晩、エマは家に22時に帰った。

 

Ils sont allés au restaurant.
彼らはレストランに行った。

助動詞に avoir を取る場合には、性数の一致は起こりません。

Emma a mangé une pomme.
エマはリンゴを一個食べた。

 

助動詞に avoir と être の両方をとる動詞

ただし、次の動詞は助動詞に avoir  と être の両方を取ることができます。

  • sortir
  • rentrer
  • passer
  • descendre
  • monter
  • retourner

以上の動詞には、それぞれに「自動詞 verbe intransitif」と「他動詞 verbe transitif」の意味があります。自動詞というのは「自分だけで意味が成り立つ動詞」なので、目的語 (complément d’objet direct) は必要ありません。一方で他動詞というのは「“他”のもの(目的語)を必要とする動詞」です。

自動詞の時の意味 他動詞の時の意味
sortir 出る、外出する …を外へ連れ出す、…を外へ出す
rentrer 帰る、戻る ..を入れる、しまう
passer 通る、通過する、立ち寄る …を超える、(試験などを)受ける、
(時を)過ごす
descendre 降りる、下車する …を降りる、(荷物などを)降ろす
monter 登る、上がる、乗る …を登る、(物を)運びあげる、
…を組み立てる
retourner 戻る、引き返す …を裏返す、ひっくり返す

 

以上の動詞が自動詞として使われる場合(目的語を必要としない場合)には助動詞は être を使い、他動詞として使われる場合(目的語を必要とする場合)には、助動詞は avoir を使います。

 

自動詞(目的語がいらない): être 他動詞(目的語が必要): avoir
Elle est sortie il y a 1 heure.
彼女は1時間前に外出した。
Elle a sorti son chien.
彼女は犬を連れだした。
Elle est rentrée à 22 heures.
彼女は22時に帰った。
Elle a rentré sa voiture dans le garage .
彼女はガレージの中に車を入れた。
Elle est descendue à Bastille.
彼女はバスティーユ駅で降りた
(下車した)。
Elle a descendu la poubelle.
彼女はゴミを下に降ろした。

*目的語は日本語の「何を」にあたる言葉です。il y a 1 heure / à 22 heures / à Bastille などは目的語ではありません。


以上の点に注意すれば、複合過去を作る際に avoir をとるか être をとるかを迷わなくなるのではないでしょうか。

複合過去で助動詞に être を使う動詞、etre と avoir の両方を使う動詞(monter の場合)

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5件のコメント

  1. こんにちは、いつもご教授頂きましてありがとうございます。
    とにかく覚えられない年齢になっていて苦戦していますが、イズミさんの例題は共感できて分かり易いです。
    質問なのですが、
    avoir の複合過去の時 性数一致した文がありまして
    その説明に「様々な理由で直接目的語が過去分詞より前に来るとき性数一致する」
    とありました。
    関係代名詞、代名詞の時だそうですが、それでもavoir である以上性質は変わらないのではないかと疑問です。

  2. 勉強になります。m(__)m

    • Tant mieux !

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