フランス語の名詞に冠詞が付かない場合:pas de + 名詞

最終更新日:2020年3月11日

日本語には冠詞というものがないため、フランス語初心者にとってはその理解が難しいものです。我々日本人はつい冠詞をつけ忘れることが多いので、まずは「名詞には常に冠詞をつける」と覚えると良いでしょう。

ところがフランス語学習を少し進めていくと、冠詞をつけない場合も出てくるのが困りものです。ここでは、冠詞をつけない場合「pas de + 名詞」の例を見てみましょう。

フランス語の名詞の前に冠詞をつけない場合 : pas de 名詞

まずはこの例文をご覧ください。

Il mange de la salade.  彼はサラダを食べる。

サラダは数えられない名詞なので、前に部分冠詞の de la をつけます(salade = 女性名詞)。

 

ところがこれを否定文にすると、

Il ne mange pas de salade.  彼はサラダを食べない。

となり、

Il ne mange pas de la salade.

は間違いになります。

 

このように動詞の後にくる目的語につく不定冠詞(un, une, des)や部分冠詞(du, de la)は、否定表現になると de になります。

いろいろな例文を、肯定文と否定文で比べてみてください。

Il a une voiture. 彼は車を一台もっている。

Il n’a pas de voiture. 彼は車をもっていない。

 

J’ai des amis. 私にはいく人かの友達がいる。

Je n’ai pas d’amis.  私には友達がいない。

 

Elle boit de l’alcool. 彼女はお酒を飲む。

Elle ne boit pas d’alcool. 彼女はお酒を飲まない。

 

ですから、pas de 名詞 でまずは覚えましょう。

ただし、名詞が母音から始まる場合には、d’ になることをお忘れなく。

例えば

pas d’animal (動物はいない)

pas d’orange  (オレンジはない)

pas d’imagination  (想像力がない)

それでも pas の後に不定冠詞が付く場合

以上が基本ですが、例外で pas の後に不定冠詞が付く場合があります。

 

(1)強い否定を表す場合

Je n’ai pas une pièce de monnaie.  私にはコイン1枚もない。

Elle n’a pas dit un mot.  彼女は一言も言わなかった。

このように pas の後に不定冠詞の une, unをつけることで、「ひとつの~もない」と強い否定を表すことができます。

 

(2)pas の後にくる名詞が属詞の場合(つまり、名詞が être の後にくる場合)

名詞が être の後にくる場合には、否定形になってもそのまま冠詞がつきます。

 

C’est un livre. これは本です。

Ce n’est pas un livre. これは本ではありません。
[ス ネ パ ン リーヴる] *リエゾンのために[ザン]と音が濁ることに注意

 

Quand j’étais au lycée, j’étais une bonne élève. 私は高校にいたころ、優等生だった。

Quand j’étais au lycée, je n’étais pas une bonne élève. 私は高校にいたころ、優等生ではなかった。
[ジュ ネテ パ ュンヌ ボンネレーヴ]

「pas de 名詞」となるのは、名詞が動詞の後にくる目的語である場合なので、区別しましょう。

定冠詞の場合には、否定形だとどうなる?

これまでは、「不定冠詞」と「部分冠詞」が否定文になると de になるという話でしたが、定冠詞 (le, la, les) の場合はどうでしょうか?

Il écoute la musique.  彼は音楽を聴く。

Il n’écoute pas la musique. 彼は音楽を聴かない。

 

Je regarde la télévision. 私はテレビを見る。

Je ne regarde pas la télévision. 私はテレビを見ない。

 

この場合、musiqueや télévisionは「音楽」「テレビ」というものを総称して表しているために « la musique » « la télévision » のように定冠詞をつけるわけですが、このように定冠詞がつく場合には、否定形になってもそのまま定冠詞がつきます。

 

また別の例をみてみましょう。

Il montre les photos à Emma.  彼はエマにそれらの写真を見せる。

Il ne montre pas les photos à Emma. 彼はエマにそれらの写真を見せない。

 

ここで les photos となっているのは、「それらの写真」という意味で「すでに話題にのぼったもの」として定冠詞が使われています。この場合にも、否定形になっても定冠詞はそのままです。


以上、名詞に冠詞がつかない場合とその例外。さらに定冠詞の場合を見てきました。

冠詞の使い方は慣れもあるので、一度文法の規則を理解した後は、たくさんの例文を見て大いに慣れるようにしてくださいね。

フランス語の名詞に冠詞がつかない場合: lundi prochain それともle lundi prochain?

フランス語の名詞に冠詞がつかない場合: pomme de terre はpomme de la terreではない

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4件のコメント

  1. Muchas gracias. ?Como puedo iniciar sesion?

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