英語とフランス語の「偽の友達」って何?
”Les faux -amis” [レ フォーザミ]というのを聞いたこととがありますか?直訳すると「偽の友達」という意味ですが、いったいどういうことなのでしょうか。今日は英語とフランス語間の「偽の友達」について書いてみたいと思います。
英語もフランス語ももとをたどればラテン語から来ているので、同じ綴りの名詞や動詞がたくさんあります。同じ綴りで同じ意味であればいいのですが、意味が全く違う場合もあるのでやっかいです。このように「同じ綴り(または似た綴り)の言葉だけれども意味が全く違う」単語のことを、「偽の友達 ”Les faux -amis”」といいます。
ちなみにこの「偽の友達」は、フランス語と英語の間だけでなく、フランス語とスペイン語の間にもあります。ですから、フランス語話者にとって、ラテン語を母語とする他の言語を学ぶのは確かに楽なのですが、この「偽の友達」の存在には注意しなければならないのです。
英語とフランス語の「偽の友達」には、例えば次のような例があります。
英語 | library | 図書館 |
フランス語 | librairie [リブれり] | 本屋 |
この二つの単語は似ているので、「本屋に行く」というのを英語で「I go to the library.」と言ってしまうフランス人がたくさんいます。しかし「本屋」は英語では ”bookshop”といいます。このように非常に似ているので意味を間違いやすい「英仏間の偽の友達」を、少しまとめてみましょう。
英語とフランス語の「偽の友達」:名詞編
英語 | College | 大学 |
フランス語 | Collège [コレージュ] | 中学 |
フランス語で “Collège” は「中学校」の意味なので気を付けてください。
英語 | Professor | 大学の教授 |
フランス語 | Professeur [プロフェッスーる] | 中高校の先生、大学の教授 |
フランス語で “Professeur” は、中高の先生にも使います。フランス人の学生達は短くして “le prof [ル プろフ]”と言います。ちなみに小学校の先生は、”instituteur/institutrice [アンスティチュトゥーる/アンスティチュトりス]” です。
英語 | licence | 運転免許 |
フランス語 | licence [リサンス] | 大学の学士過程 |
フランス語で運転免許は、”permis de conduire [ペルミ ド コンデュイーる]” と言います。
英語 | car | 車 |
フランス語 | car [キャーる] | (長距離)バス |
フランス語で、普段街で走っているバスは”bus [ビュス]” と言いますが、観光バスのような長距離で少し大型のバスは “car [キャーる]” と言います。
英語 | petrol | ガソリン |
フランス語 | pétrole [ペトろル] | 石油 |
フランス語でガソリンは、”pértorle [ペトろル]” ではなく、”essance [エサンス] というので注意しましょう。
英語 | surname | 苗字 |
フランス語 | surnom [シュるノン] | あだ名 |
綴りが似ていますが、フランス語で “surnom [シュるノン]”はあだ名のことです。
英語 | station | 駅 |
フランス語 | station [スタシオン] | リゾート地、保養地 |
鉄道の駅はフランス語で “gare [ギャーる]” と言います。ただし地下鉄の駅は “station de métro [スタスィオン ド メトろ]” といいます。
英語 | society | 社会 |
フランス語 | société [ソシエテ] | 会社 (社会) |
フランス人は「会社」を英語で言う時に “society” と言いがちですが、正しくは”company, firm”ですね。綴りが似ていると、ほんとうにやっかいです。
英語とフランス語の「偽の友達」:動詞編
英語 | to pretend | ~のふりをする |
フランス語 | prétendre [プれタンドる] | ~と言い張る |
フランス語で「~のふりをする」は、”faire semblant [フェーる サンブラン]”といいます。
英語 | to cry | 泣く |
フランス語 | crier [クりエ] | 叫ぶ |
英語 | to fix | 修理する |
フランス語 | fixer [フィクセ] | 取り付ける、固定する |
英語 | to rest | 休憩する |
フランス語 | rester [れステ] | とどまる |
英語 | to support | ~を支える |
フランス語 | supporter [シュポるテ] | 耐える、我慢する |
英語とフランス語の「偽の友達」:形容詞、副詞編
英語 | eventual | 最後の |
フランス語 | éventuel [エヴァンチュエル] | 可能性のある、起こり得る |
英語 | eventually | 最終的に |
フランス語 | éventuellement [エヴァンチュエルモン] | おそらく、たぶん |
英語 | dramatic | 戯曲の、演劇の |
フランス語 | dramatique [ドらマティック] | 深刻な、重大な |
英語 | proper / properly | 正しい/正しく |
フランス語 | propre / proprement [プろップるモン] | 清潔な / 清潔に |
英語が得意な人は、新たにフランス語を勉強をする時にこの「偽の友達」の罠にはまってしまいがちなので、気をつけてくださいね。
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英語と仏語は同じ語源である確率が英語と独語に比べて格段に高いのでよく混乱しますね。その点、独語と仏語は同じ語源の単語の確立はずっと減るので混乱はそれほど起きないように思います。仕事で一度アメリカ人とドイツ人の中で通訳をやったことがありましたが、意外に問題なくできました。英語と仏語間の方が難しそうですね。