フランス語の固有名詞に冠詞はつく？

今日はフランス語の固有名詞と冠詞についてまとめてみます。どうしてこのテーマを思いついたかと言いますと、フランス人の夫や私が “sur l’Internet（インターネットで）” と言うたびに、子供たちが苦笑いをしながら「冠詞はつけないで」と言うからです。そこで今日は、定冠詞をつける固有名詞とつけない固有名詞に分けてみたいと思います。

まず固有名詞 (noms propres) とは何か、ということですが、固有名詞とはある１つの特別の人間や物を指すためにつけられた名称で、同じ部類に属するほかのものと区別するためのものです。普通名詞とは反対で、特定のものだけに限られた名称になります。固有名詞の特徴としては、大文字で書き始め、通常は冠詞はつきません。

定冠詞がつかない固有名詞

• Ma mère fait souvent des achats sur Internet. 母はよくネットで買い物をする。
• Nicolas habite à Londres.　二コラはロンドンに住んでいる。
• Elle publie des photos sur Instagram.　彼女はインスタに写真を投稿する。

定冠詞がつく固有名詞

固有名詞には通常は冠詞はつきませんが、以下のような語には定冠詞がつきます。

国民、民族などは？

国民や民族名は最初の文字を大文字で書きますが、固有名詞ではなく普通名詞と考えられます。

Les Française aiment le fromage. フランス人はチーズが好きだ。

WiFi には冠詞がつく？

さて、Internet が固有名詞で定冠詞がつかないのであれば、WiFi は？と思われるでしょう。実はWiFi (または Wi-Fi）は普通名詞で、冠詞がつきます。普通名詞ですので性があり、la Wi-Fi という人もいますが、男性名詞（不変）です。

• Je n’arrive pas à me connecter au wi-fi.　 「私はwi-fi につなげられない（Wi-Fi につながらない）」

WiFi は普通名詞ということは、水 (l’eau) や電気 (l’électricité) などと同じ感覚なのでしょうね。

以上のように「定冠詞がつく固有名詞」と「定冠詞がつかない固有名詞」を分けて覚えておくと、作文の際に冠詞に迷わないでしょう。