フランス語を学ぶメリット

最終更新日:2022年3月24日

昨今、世界の共通語は英語であることは間違いありません。そのため、アメリカでは20%の子供しか学校で外国語を学んでいないという統計もあります。確かに英語が世界中で通用する世の中ですので、英語が母国語の人々は英語以外の言語を学ぶのは時間のムダだと考えるのも分かる気がします。

ヨーロッパの子供達の92%が外国語を学んでいるのに対し、アメリカでは20%の子供しか学校で外国語を学んでいない

そんな中で、フランス語を学ぶメリットはあるのでしょうか?今日はフランス語を学ぶメリットを4つ挙げてみたいと思います。

芸術、音楽、ファッション、料理など、本場フランスで学べることが多い

フランスはなんといっても文化大国なので、アートや音楽、ファッション、料理など学べることがたくさんあります。「わざわざフランスで学ばなくても、日本で学べるんじゃない?」と思うかもしれませんが、私はそうは思いません。なぜなら本場は「環境」が違うからです。

例えば料理を勉強したい人にとって、フランスの環境はたまりません。素晴らしいレストランやお菓子屋さん、パン屋さんがあちらこちらにあるのですから。また、週に数回はマルシェ(市場)で旬の野菜や果物が手に入ります。日本では高くて手が出ないワインやチーズなども、フランスでは手ごろな値段でおいしいものが味わえます。

音楽をやる環境もとても大事だと思います。私はよくフランスの音楽夏季合宿に参加するのですが、練習室の窓から見えるのは、一面に広がるアルザスのブドウ畑。うまく弾けるとコウノトリたちが「ケケケケケ」と拍手をしてくれます。また合宿の最終日には、村の教会でステンドグラスに囲まれながらの発表会があります。日本で毎日小さな防音室に入って練習するのとは、環境がまったく違うのです。

ですから、子供の頃からそんな環境に触れられるフランス人達が、自然に芸術的感性を磨いたり味覚が鍛えられたりするのも、当然だと思います。知識や技術を学ぶだけであれば日本でも十分にできるかもしれませんが、感性を磨くにはフランスに行って実際に感じることが近道なのです(ただし何かを学びに行くのであれば、フランス語が全くできない状態で行くのはもったいないですよ)。

フランスは原子力、農業の分野でも強い

フランスといえば「ファッション」「アート」「料理」などが真っ先に思いつきますが、実はその他の分野でもトップの地位を占める分野がたくさんあります。

  • フランスは世界一の観光地である(2014年)
  • フランスは世界一のワイン生産地である(2014年)
  • 270ある高級ブランドの中で130はフランスのブランドである
  • トウモロコシを始めとする農業大国である
  • 世界で活躍するフランス人サッカー選手が多い
  • フランスはヨット、タイヤ、スキー用品の輸出大国である
  • フランス原子力発電大国で原子力の研究が盛んであり、核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクト(ITER)の建設サイトが南仏にある
  • フランスはノーベル文学賞を受賞した作家が世界で最も多い。1901年の始まりから、111個のノーベル文学賞のうち15個がフランス人作家に与えられた。

Le Monde のこちらの記事参照しました

以上のことから、芸術や料理の分野以外でもフランス語を使って勉強、活躍できる分野はたくさんあります。

国際機関の公用語はフランス語が多い

さらに国連などの国際機関で働きたい人には、英語の他にフランス語がとても重要になってきます。

公用語にフランス語が含まれている国際機関

国際連合(UN)公用語:英語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語、アラビア語ただし国連事務局の「作業言語」は英語とフランス語のみ

経済協力開発機構(OECD) – 英語、フランス語

世界貿易機構(WTO) – 英語、フランス語、スペイン語

国際電気通信連合(ITU) – フランス語、英語、スペイン語

国際電気標準会議(IEC) – 英語、フランス語

国際標準化機構(ISO) – 英語、フランス語、ロシア語

万国郵便連合(UPU) – フランス語、英語

国際労働機関 (ILO) -英語、フランス語、スペイン語

国際司法裁判所 (ICJ)-英語、フランス語

国際刑事裁判所 (ICC-CPI)-英語、フランス語

国際海洋法裁判所 (ITLOS)-英語、フランス語

国際オリンピック委員会 (IOC)-フランス語、英語

国際サッカー連盟 (FIFA) -フランス語、英語、ドイツ語、スペイン語

今後アフリカでフランス語を話す人が増えていく

例えば2014年の時点で、2億7400万人のフランス語話者のうち、1億5千万人はアフリカ大陸に住む人々でした。この年、ヨーロッパでフランス語を話す人1億人未満でしたので、2014年時点で、フランス語話者の数はすでにアフリカの国々の方が多かったのです。今後アフリカの人口が増えていけばどうなるでしょうか。世界フランス語協会(l’Organisation Internationale de la Francophonie)によると、OIFのメンバー国54か国がこれからフランス語教育をどんどん強化していけば、2050年にはフランス語を話す人々の85%はアフリカ大陸に住む人々になるといいます。そうしてフランス語を話す人が7億人になれば、フランス語は世界で最も話されている言葉になるそうです。

フランス語が公用語の国って?世界で話されるフランス語

アフリカは人口が増え続けており、2050 年には 25.3億人(世界人口の25.9%)の大きな市場になると予測されます。都市化が最も速く、労働人口の急伸が著しく(2034年に は労働人口が 11 億人に達し、中国やインドを超過する 見込み)、さらに、技術革新の潜在性が高いうえ、資源が 豊富にあるアフリカ大陸は世界第 2の急成長市場と見込 まれています。そのため近年では、日本の大企業のみならず、中小企業もアフリカビジネスに参入しています。

JICAの資料より

以上のことから、フランス語を学ぶメリットはたくさんあると思います。ただし英語は必須です!これらの分野でなにか自分の興味や関心に当てはまるものがあれば、第2外国語としてフランス語を選ぶと、人生の可能性が広がるに違いありません。

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1件のコメント

  1. 前にも話しましたが僕は大学卒業後(独語科)42年間もドイツ人と仕事をして65歳で退職しましたが、66歳から若いころから興味のあった仏語を始めて、やはり、フランスの文化大国ぶりがますます実感できます。ドイツももちろん優れたところがたくさんあるのですが、フランスの文化領域はあらゆるところに広がっていますね。それと、ドイツは欧州のなかではやはり複雑な歴史的背景もあり心の根っこのところで難しい精神的問題を抱えていますね。その点、フランスにも数々の歴史的汚点はありますが、ドイツ人が抱える精神的問題より自由度が高い気がします。我々日本人も少しドイツ人たちと似た境遇にはありましたが、例えば、ユダヤ人問題に関しては日本人はドイツ人とは決定的に異なる態度をとってきました。また、中国が主張する南京30万人虐殺問題は国民党、その後の共産党による完全なるでっち上げだという事が明かされたさまざまなドキュメントにより明らかになっています。日本人の精神的状況、美への憧れからくる倫理感など、どちらかというとフランス人との精神的共通項が多い気がしています。だからぼくも66歳から始めた仏語の勉強に今年72歳になるいまも引き付けられるのだと思います。

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