日本語で使われるフランス語はちょっと色っぽい

最終更新日:2020年3月4日

昨日スペイン国営ラジオ(Radio National Español)聞いていると、”déshabillé”という言葉について話をしていました。その番組は「今ではあまり使われなくなったスペイン語について解説する」という内容で、リスナーから「その言葉の意味を知っているか」「どのように使っているか」とコメントを集めるのです。

”déshabillé”というのはもともとフランス語の ”deshabiller”(~の服を脱がせる)という動詞から来ており、形容詞には”déshabillé”「服を脱いだ」という語があります。これが名詞の “déshabillé” で使われる場合には「婦人用の部屋着」という意味になり、スペイン語でも以前は「婦人用の軽い部屋着」という意味でよくこの単語が使われていたようです。

ちなみにフランス語では [デザビ] と発音しますが、スペイン語ではスペイン語風に [デサビジェ]と言っていました。そこにアルゼンチン人のリスナーが「アルゼンチンではまだ多くのフランス語が残っているから今でも使うけど、デサビシェっていうよ!」と「シェ、シェ」を連発するアルゼンチン訛りのスペイン語を披露して、ナビゲーターを笑わせていました。

これを聞いて思い出したのが「ネグリジェ」。女性用のドレス型のねまきのことをなにげなくネグリジェと言っていたけれど、「これってフランス語の”negligé(だらしない)”だ!」と突然気がついたのでした。実際には、フランスでこのネグリジェにあたる「女性用のねまき」のことは ”chemise de nuit [シュミーズ ド ニュイ]” といいます。直訳すると「夜のシャツ」とでもいえましょうか。そういえばこの “chemise (シュミーズ)”も実はフランス語で、フランスでは男性用のワイシャツのことを指しますが、日本語で「シュミーズ」といえば女性用の下着という意味で使われていますよね。

このように考えていると、昔は日本でももっとフランス語がつかわれていたような気がしてきました。もちろん今でも「カフェオーレ」や「クロワッサン」など食べ物の分野ではそのままフランス語が使われますが、それ以外の分野で英語とはちょっと違う雰囲気をもつフランス語が使われていました。そこで、思いついた単語をあげてみると、

  • ネグリジェ   negligé 「ほおっておかれた、だらしない」という意味の形容詞または名詞
  • シャッポ     chapeau (縁のついた)帽子 (男性名詞)
  • シュミーズ  chemise  シャツ、ワイシャツ (女性名詞)
  • マント        manteaux コート (男性名詞)
  • パンタロン  pantalon  ズボン (男性名詞)
  • アベック     avec    ~と一緒に(前置詞)
  • デジャヴ     déjà vu   すでに見た、ありふれている
  • ランデブー  rendez-vous   約束、アポイント (男性名詞)

*単語の右側はフランスで使われている意味

 

やはりモードの国フランスから日本に入ってきた言葉には、アパレル用語が多くあるようですが、フランス語と日本語では意味が少し異なっています。たとえば日本でネグリジェは「女性用のドレス型のねまき」、シュミーズは「女性用の下着」、マントは普通のコートではなく「袖なしの外套、またはヒーローのつけるマント」、パンタロンといえば「膝から下にかけて広がった形のズボン」のことを指します。

 

また、アベック、ランデブーなんかはすでに死語になっていますが、アベックは「男女のカップル」のことで、ランデブーと言えば日本では「逢引き」みたいな意味が含まれていたと思います。ちなみにフランスで「Rendez-vous ランデブー」はなんのことはない普通のアポのことで、お医者さんやクライアントとのアポにもこの「ランデブー」を使います(そういえば私が初めてフランスでお医者さんと「ランデブー」をとった時には、ちょっと笑ってしまった思い出があります)。

スペインのラジオで ”déshabillé (女性用の軽い部屋着)” のことを話していた時にコメンテーターの方も言っていたのですが、この言葉のどこかには「セクシーさ」が含まれていて、スペインの普通の女性用パジャマとはちょっと違うようです。日本語でも「アベック」「ランデブー」という言葉の響きには、どこかセクシーでエロティックな意味が含まれていたように思います。英語由来の「カップル」や「デート」とは、明らかに使い方が違いますよね。さらに「ネグリジェ」や「シュミーズ」にも、なんとなくへんな色気があります(というか若い人にとっては、もはやおばさま達が着る古くさい下着のイメージしかないのかも 笑)。さすがアムールの国フランス。フランス語が世界に輸出される時には、そのセクシーなイメージまでもが一緒にくっついていくようです。

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