Monsieur はなぜ「ムスィウ」と読むのか

最終更新日:2020年4月14日

フランス語を勉強するときにまず学ばなければならないのが「フランス語の読み方」。
フランス語では

ai というつづりなら  [エ]

ou というつづりなら [ウ]

と読むなど、綴りと発音がかなり密接に関係しています。英語の i が、単語によっては [イ ]と発音したり [アイ]と発音するのとは異なります。

「ゼロから30分でフランス語が読めるようになるレッスン動画」プレゼント

…と、いつも説明をしていたのですが、実は非常によくつかう ”monsieur” という単語の読み方が、この規則が当てはまらないことに気がつきました。

”monsieur” の意味ですが、最初の m を小文字にして使う場合には「男性、男の人」という意味になり、大文字で ”Monsieur” とすると、男性に対する敬称として、姓名、職名の前につける言葉になります。

例えば「デュポンさん」なら、”Monsieur Dupont [ムスィウ デュポン])” と言います。英語の「ミスター」と同じですね。この敬称 Monsieur は職業や肩書にもつけることができ、例えば

Monsieur le Ministre [ムスィウ ル  ミニストる] 大臣閣下

女性大臣なら
Madame la Ministre [ マダム ラ  ミニストる] 大臣閣下

と言います。

さて、フランス語の綴りと読み方の規則に従って読めば、”monsieur” は [モンシィウーる]のような発音になるはず。でも実際には、/mǝ.sjø/ (me-sieu) [ムスィウ]のように発音します。なぜでしょうか?

monsieur の読み方

実はこの ”monsieur”、もともとは “mon seigneur [モン セニユーる]” でした。mon は 「私の」という意味の所有形容詞。seigneur は「領主、主君、あるじ、支配者」という意味。“mon seigneur XXX” で「私の主君、XXXさん」というよう感じで使われていました。

ところが、monseigneur seigneur の部分が sieurと短くなり、”monsieur” となったのです。

ですので「綴りと読み方は関連している」と言えども、この単語は例外です。[モンシィウーる]とは発音せずに、[ムスィウ] のように発音してください。このように、年月と共に発音が変わっても、綴りが昔のままの形で残っている単語がたまにあるのです。

Monsieur, Madame, Mademoiselle の省略形

せっかく Monsieur のことを話したので、この単語の省略形についても説明をしたいと思います。英語で Mister の省略形は Mr と書きますが、フランス語の Monsieur の省略形はM. です。

M.

エムのあとにポワン (.) がつきますので注意してください。

以前は Mʳや Mr のように書いている人もいましたが、今はフランス語ではM. に統一されています。

さて、Monsieur が複数いる場合には Messieurs [メスィウ]となり、 略形はMM.です。

女性もみておきましょう。madame [マダム] は女性に対する丁寧な呼びかけで、「奥様」というような意味ですが、姓の前につけて敬称として使う場合には大文字で Madameとなります。省略形は Mme で、M.と違ってポワン(.)はつきません。なぜならeは文字の最後にあたるからです。複数形はMesdames [メダム] で、省略形は Mmes 

また以前は、既婚女性に対して Mademoiselle [マドゥモワゼル](省略形はMelle)という敬称がありましたが、「女性だけ既婚、未婚で区別をするのはおかしい」ということで、フランスでは2012年から行政書類には Mademoiselleという表記が使われなくなりました。

 

この省略形ですが、相手に呼び掛ける場合には使いません。例えば手紙の宛名や、手紙の中で相手に呼びかける文章では、省略せずにMonsieur Macron, Madame Depardieu というようにすべての綴りを書きます。

省略形を使うのは、例えば:

Je transmettrai votre demande à M. Boulanger.(あなたのご依頼をブランジェ氏に伝えておきます。)

というように、第三者の名前として書く場合です。


お店の人に「マダムと言われた」「マドモアゼルだった!」と一喜一憂したその昔。時代と共に言葉の使い方はどんどん変化していきます。例えばフランスの学校に提出する家族構成書類には、以前であれば “Père(父親)” “Mère(母親)” という欄がありそれぞれの名前を書いていましたが、今では “Parent 1” “Parent 2” (親1、親2)となっています。

もしかしたら、Monsieur, Madame という敬称も、いつかは使われなくなるのでしょうか。

【留学・駐在前に】短期間で効率的にフランス語の基礎を身につけられます

コメントを残す

関連記事

【留学・駐在前に】短期間で効率的にフランス語の基礎を身につけられます

フランス語学習に関する役立つ情報をお届けします

trial lesson

トレビアンフランス語アカデミーFacebook