フランス語の plus の発音
今日は、フランス語の比較級や最上級ででてくる “plus” の発音について、見てみましょう。
「”plus” の最後の [s]は発音しないと思っていたのに、発音する場面があった!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。”plus” を[プリュス]と発音する場合と [プリュ]と発音する場合の違いを見てみましょう。
①フランス語の plus の s を発音しない場合
次のように比較級や最上級で使われ、うしろに形容詞や副詞がくる場合、plus の最後の s は発音しません。
Sophie est plus grande que Julie. ソフィはジュリよりも背が高い。
[ソフィ エ プリュ グランド ク ジュリ]
Alex nage plus vite que Thomas. アレックスはトマよりも速く泳ぐ。
[アレックス ナージュ プリュ ヴィット ク トマ]
以上のように、子音で始まる形容詞や副詞の前にある場合 plus の s は発音しません。
ただし、母音の前では s と次に来る母音とリエゾンします。
Sandra est plus intelligente que sa sœur. サンドラは彼女のお姉さんよりも頭がよい。
[サンドら エ プリュザンテリジャント ク サスゥーる]
②フランス語の plus の s を発音する場合
次のような場合には、plus の最後の s を発音します。
Cécile travaille plus que Pierre. セシールはピエールよりもたくさん働く。
[セシール トらヴァイユ プリュス ク ピエーる]
Elle a plus de responsabilités. 彼女はより多くの責任がある。
[エラ プリュス ドゥ れスポンサビリテ]
Elle gagne plus. 彼女はより多く稼いでいる。
[エル ギャーニュ プリュス]
以上のように、”plus que” “plus de” 、さらに文章の最後にくる “plus” の最後の s は発音するのです。文章の最後にくる、というのは、ピリオドの手前というだけではなく、文章を意味のグループで分けた時に意味上のグループの最後に来る場合もあてはまります。
(*ただし、plus de の後に数字が来る場合には、[プリュ]と読むことが多いようです。
plus de vingt minutes =20分以上 [プリュドゥヴァンミニュット]
plus de quinze ans =15歳以上 [プリュドゥキャーンザン]
この読み方に関しては、人によって異なります。)
また、足し算でつかう plus も [プリュス]と発音します。
Deux plus trois égalent cinq. 2+3=5
[ドゥ プリュス トろワ エギャル サンク]
さらに、次のような決まり文句の場合にも [プリュス]と発音します。
au plus = せいぜい、多くても
Ce tableau coûte au plus deux mille euros. この絵はせいぜい2000€だ。
[スタブロー クット オプリュス ドゥミル ウーろ]
de plus = そのうえ
Je suis fatigué et de plus j’ai faim. 私は疲れている上にお腹がすいている。
[ジュスィ ファティゲ エ ドゥプリュス ジェファン]
en plus=そのうえ、おまけに
Cette robe est très belle, et en plus elle n’est pas chère!
[セット ろーブ エ トれベル エ アンプリュス エル ネパ シェーる]
ただし、de plus en plus (ますます多く、次第に)は、最初のs はリエゾンをし、次の s は発音する場合としない場合があります。
Le vent devient de plus en plus fort. 風がますます強くなってくる。
[ルヴァン ドゥヴィアン ドゥプリュザンプリュ フォーる]
“de plus en plus” で文章が終わる場合には、最後は [プリュス]と発音するようです。
Le taux de chômage augmente de plus en plus. 失業率はますます高くなる。
[ル トードゥショマージュ オギュモント ドゥプリュザンプリュス]
③否定の ne…plus (もはや…しない、もう~ない)の場合は?
否定の ne…plus の s は発音しません。たとえ文章の最後に来ても発音しません。
Je ne suis plus étudiant. 私はもう学生ではない。
[ジュ ヌ スュイ プリュ エチュディアン]
Tu n’aimes pas la bière? Moi non plus. きみはビールが好きじゃないの?私も(好きじゃない)。
[チュ ネーム パラ ビエーる? モワ ノン プリュ]
つまり、「より多くの」という肯定の意味で使う plus は s を発音する場合が多く、「もう~しない、もう~ない」という否定の意味で使う plus の場合にはけして s は発音しません。
以上の規則を頭に入れて、次の文章を音読してみましょう。どの plus を [プリュス]と読み、どの plus を [プリュ]と読むでしょうか?
Comparée à son ami Paul, Emilie parle plus, elle est plus communicative et plus ouverte. Elle lit plus et elle fait plus d’exercices. Elle est plus avancée et progresse plus vite.
正解を見てみましょう:
Comparée à son ami Paul, Emilie parle plus, elle est plus communicative et plus ouverte. Elle lit plus et elle fait plus d’exercices. Elle est plus avancée et progresse plus vite.
[プリュス]と s を読む場合はブルー
[プリュ]と s を読まない場合は黒字で横線
s を次の母音とリエゾンをする箇所はオレンジで示しました。
音声を聞いてみましょう。
和訳をつけておきます。
友達のポールに比べると、エミリーはよりたくさん話す。彼女は(ポール)より話好きでオープンだ。彼女は(ポールより)本を読むし、たくさん練習問題をする。彼女はより上級だし、進歩もより速い。
以上の規則を覚えて、これからは自信を持って plus を発音しましょう。
ちなみに、親しい間柄でつかう「またね!」という意味の À plus ! (メールなどでは A+ と書きます)は [ア プリュス ]と発音します。
A +
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