フランス語の命令法を覚えて、フレンチトーストのレシピを読んでみよう

最終更新日:2020年9月7日

フランス語のレシピは「切る」「混ぜる」「加える」などの決まった動詞しか出てこないので、一度覚えれば案外簡単に読めてしまいます。今日はフランス語のレシピでよく使われる動詞の時制「命令法」の作り方を覚えて、本場のフレンチトーストレシピを読んでみましょう。

フランス語の命令法の作り方

 

フランス語の命令法には

tu (きみ)に対する命令 (~しなさい)

nous (私達)に対する命令 (~しよう)英語の Let’s~ のような感じです。

vous (あなた、君たち)に対する命令 (~してください)

の3種類あります。

 

命令法の作り方の基本は

 直接法現在形の文から、主語をとる

例えば

Tu Prends un café.     コーヒーを飲みなさい。

Nous Prenons un café. コーヒーを飲みましょう。

Vous Prenez un café.   コーヒーを飲んでください。
(tu の複数に対してであれば) コーヒーを飲みなさい。

否定命令の場合にも、直接法現在形の文章から主語を除くだけです。

 Tu Ne prends pas de café.  コーヒーを飲んではいけません。

 

ただし、-er 動詞、aller ouvrir 型の動詞の場合には、tu の命令法には最後にs がつかないので注意してください。(ouvrir 型の動詞は-er 動詞と同じ活用形をしているので、tu の活用の際には最後に -s がつきます)

travailler (-er動詞)

 

Travaille bien !  よく働きなさい(勉強しなさい)

Travaillons bien !  よく働こう(勉強しよう)!

Travaillez bien ! よく働いてください(勉強してください)!

 

直接法現在形の活用では、 tu travailles のように最後にs が付きますが、命令法ではつかないので注意してください。

aller (~に行く)

 

Va à l’école !  学校に行け!

Allons à l’école ! 学校に行こう!

Allez à l’école ! 学校に行ってください!

 

直接法現在形の活用では tu vas のように最後にs が付きますが、命令法ではつかないので注意してください。Vas-y! (行け!)は母音がつながるのを避けるためで例外

ouvrir を開ける」

 

Ouvre la porte. ドアを開けろ!

Ouvrons la porte! ドアを開けよう!

Ouvrez la porte ! ドアを開けてください。

 

Ouvrirの直接法現在形の活用では tu ouvres のように最後にs が付きますが、命令法ではつかないので注意してください。

ただし、être, avoir の命令法は特別な形をとります。

tu nous vous
être sois
[ソワ]
soyons
[ソワイヨン]
soyez
[ソワイエ]
avoir aie
[エ]
ayons
[エイヨン]
ayez
[エイエ]

 

直接法現在形 命令法
Tu es gentil. きみは親切だ。

 

Vous avez du courage. あなたは勇気がある。

Sois gentil. 親切にしなさい。

 

Ayez du courage. 勇気を持ってください。

 

フランス語でレシピを読んでみよう

フランス語のレシピでは、動詞は不定詞(活用していない元の形)または命令法が使われます。命令法の場合には、必ず vous に対する命令法(~してください)が使われますので、見分けるのは簡単です。

フランス語の不定詞の使い方:指示、忠告、レシピ、マニュアルなどでの使用例

では、本場のフレンチトーストのレシピをご紹介しましょう。

Le véritable pain perdu (本場のフレンチトースト)

フレンチトーストはフランス語で ”pain perdu” と言います。perdu というのは「失われた、なくなった、駄目になった、無駄にした、道に迷った」という意味の形容詞ですが、もともとは固くなって食べられなくなったパン(駄目になったパン)を捨てることなく食べられるようにと考えられたのが、このレシピの始まります。その起源は古代ローマまでさかのぼるとも言われており、紀元前5世紀の書物には、輪切りにしたパンを牛乳にひたした後、油で揚げるというレシピが見つかっているそうです。

フランスでは食事のたびにかならずバゲットやパンドカンパーニュなど、何かしらのパンを食べます。けれどもお客さんが来た時などときどき買いすぎてしまって、次の日にはカチカチになることも。そんなときにこの “pain perdu” にすれば、その日のおやつの出来上がりです。

Ingrédients / pour 6 personnes

  • 12 tranches de pain sec
  • 3 œufs
  • 250 ml de lait
  • 30 g de sucre
  • 1 sachet de sucre vanillé
  • beurre

【材料(6人用)】

固くなったパン(バゲットなど)12切れ
卵 3個
牛乳 250ml
砂糖 250ml
バニラシュガー 1袋
バター


  1. Dans un bol, battez les œufs avec le lait, puis ajoutez les deux sucres.
  2. Trempez les tranches de pain dans l’appareil aux œufs, et mettez les dans une poêle sur feu moyen, avec une grosse noix de beurre. Faites cuire une à deux minutes sur chaque face, jusqu’à ce que le pain soit bien doré.
  3. Pour finir, servez encore chaud, saupoudré de sucre, ou accompagné de confiture.

太字の部分が命令法になっています。以下にそれぞれの動詞の不定詞を書いておきます。

battre    かき混ぜる

ajouter 加える

tremper …を浸す

mettre  入れる

faire  ~する faire cuire で、「焼く」

servir  食事を出す

cuire という動詞はそれ自体で 「火を通す、約、煮る、ゆでる、炒める」等の「何かの方法で加熱調理をする」という意味ですが、一般には faire (-する)という動詞と組み合わせて faire cuire と言う方が多いです。


それでは手順を訳していきます。

  1. Dans un bol, battez les œufs avec le lait, puis ajoutez les deux sucres.

ボールの中で卵と牛乳を混ぜ、2種類の砂糖を加えてください。

battre → 命令法 battez

ajouter → 命令法 ajoutez

 

2. Trempez les tranches de pain dans l’appareil aux œufs, et mettez les dans une poêle sur feu moyen, avec une grosse noix de beurre. Faites cuire une à deux minutes sur chaque face, jusqu’à ce que le pain soit bien dorée.

卵の材料のなかに輪切りにしたパンを浸し、次にそれをクルミ大の大きさのバターの大きな塊と一緒に中火で熱したフライパンにのせてください。パンがこんがり焼けるまで、それぞれの面を1,2分間焼いてください。

tremper → 命令法 trempez

mettre → 命令法 mettez

faire → 命令法 faite

ここの “appareil” という単語は、通常「器具、装置」という意味ですが、料理用語では「卵、牛乳、小麦粉などを混ぜ合わせた材料」のことを言います。後ろに 前置詞のàを置いて、例えば

appareil à soufflé は「スフレの種」

という意味になります。

 

noix は「クルミ」という意味の名詞ですが、une noix de beurre といえば「クルミ大のバターの塊」というような意味になります。

ちなみに une noisette de beurre という表現もあり、noisette はヘーゼルナッツという意味ですが、「クルミ大」とか「ヘーゼルナッツ大」とか、いったい具体的に何グラムなの??と聞きたくなりますよね。

一般的に

une noix de beurre =15g

une noisette de beurre =4g

とされています。

 

jusqu’à ce que+接続法 …するまで

jusqu’à ce queの後には必ず動詞の接続法をもってきますので、ここでもêtreの接続法のsoit になっています。


3. Pour finir, servez encore chaud, saupoudré de sucre, ou accompagné de confiture.

最後に、砂糖をかけたりジャムを添えて、熱いうちにいただきます。

servir → 命令法 servez 

 

命令法は tu, nous, vous の3つしか活用がなく、以外に簡単です。しかもレシピでは「vous に対する命令法」しか使われませんので、辞書も引きやすいと思います。

ぜひフランス語でいろいろなレシピを読んでみてください。

私がいつも使っているフランスのレシピサイトは:

Marmiton

750 g

です。

【留学・駐在前に】短期間で効率的にフランス語の基礎を身につけられます

コメントを残す


Warning: Undefined variable $post_id in /home/theone001/tresbien.co.jp/public_html/wp-content/themes/the-one-theme/comments.php on line 13

Warning: Undefined variable $post_id in /home/theone001/tresbien.co.jp/public_html/wp-content/themes/the-one-theme/comments.php on line 14

4件のコメント

  1. いつも素晴らしい解説に感動しながら拝見してます。
    今日のフレンチトーストの作り方、大変勉強になりました。興味があるお料理だと頭に入りやすいと思いました。
    お料理に使われる単語も解説もわかりやすくてよかったです。

    それとマカロン大統領の150周年のスピーチYouTubeでみました。単語を所々拾える程度で詳しくはわかりませんが、素敵なフランス語に酔いしれてしまいます。
    理解できるようになる日を夢見てます。

    • Bonjour!
      おっしゃる通り、自分の興味のある分野のフランス語を読むのが、
      続くし、やる気もでます。
      レシピは結構簡単に読めますので、今度またご紹介しますね。

  2. YOUTUBE で基礎をある程度習得しているので分かりやすいです。内容も実用的で助かります。なおMAILにある家族間のやり取りはもっと面白くかつ実用的です。

関連記事

【留学・駐在前に】短期間で効率的にフランス語の基礎を身につけられます