encore のいろいろな意味と使い方
「アンコール!アンコール!」と言えば、コンサートの最後に追加演奏を要望するかけ声ですが、これはフランス語の “encore” から来ています。たしかに encore には「もっと」と言う意味があり、子供がおかわりを欲しい時などに:
Encore, s’il te plaît ! 「もっとちょうだい!」
と言ったりします。ところがフランス語を勉強していると、「もっと」とは違う意味の encore に出くわしたことがあるのではないでしょうか?今日は “encore” のいろいろな意味と使い方についてみてみたいとおもいます。
encore 「まだ、なお、依然として」: 継続
一つ目は、「まだ、なお、依然として」という継続の意味で使う encore です。
Elle dort encore ? 「彼女、まだ寝ているの?」
これと近い意味の副詞で、toujours があります。
Elle dort toujours? 「彼女、まだ寝ているの?」
上の2つの意味は若干ニュアンスが違います。Elle dort encore ? と言った場合には、「予想していた時間を超えて、まだ寝ている(例えば「もう11時なのにまだ寝ている」)」感じで、Elle dort toujours ? の方は、「以前寝ていた状態から相変わらず寝ている」感じでしょう。
ちなみに、Elle dort encore? という質問に対して、「もう寝ていないよ」という場合には、
Elle ne dort plus. 「彼女はもう寝ていない」
のように、ne…plus (もはや…ない)という否定形を使います。
encore 「また、再び」:繰り返し
2つ目の意味は、「また、再び」という繰り返しを表します。
- Il a encore oublié son parapluie. 「彼はまた傘を忘れた。」
- “J’ai perdu ma clé ….” “Encore !?”
「鍵をなくしちゃった…」「また!?」
- Vous pouvez répéter encore une fois?
「もう一度繰り返してもらえますか?」
ですので、状況によっては全く同じ文章でも、 encore の意味が「まだ」にも「また」にも解釈できる場合があります。
Il est encore malade.
「彼はまだ病気だ。」(継続)
「彼はまた病気だ。」(繰り返し)
pas…encore 「まだ…ない、いまだに…ない」
encore を否定文で用いると、「まだ…ない」「いまだに…ない」という意味になります。
- Je n’ai pas encore mangé. 私はまだ食べていない。
- “Tu as fini tes devoirs?” “Pas encore.” 「宿題終わった?」「まだ。」
encore 「もっと、さらに」
子供が ” Encore ! ” とおやつをせがむ場合には、この意味になります
- Maman, encore, s’il te plaît ! ママ、もっとちょうだい!
- Vous voulez encore un peu de café ? もう少しコーヒーをいかがですか?
このように、encore という副詞には「まだ」「また」「もっと」「まだ…ない」というさまざまな意味があるので、文章に出てきた時に「あれ?」と思うかもしれません。その時には「継続」なのか「繰り返し」なのかなど、文章の意味をよく考えてみてくださいね。
ちなみにフランスで「アンコール!アンコール!」と言う場合には “Encore !” ではなく、”Une autre ! Une autre !” (une autre chanson ! という意味)と、手をたたきながら叫びます。
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